2021 Fiscal Year Research-status Report
Bayesian modeling on ethical consumption and its empirical application for behavior modification
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21K18559
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 康弘 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90379826)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | エシカル消費 / ベイジアンネットワーク / 要因関連 / 行動モデル / アソシエーション分析 / 購買履歴データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人や社会・環境に配慮して消費者が自ら考える賢い消費行動、いわゆる「エシカル消費」を研究対象として、エシカル消費に関する先導的な取組実績のあるパルシステム生活協同組合と連携し、その組合員を対象にエシカル消費行動とその関連要因に関するWebアンケート調査を実施し、実態を把握した。また、組合員の購買履歴に関するビッグデータについてもWebアンケートデータと統合して解析し、日常的な購買行動及びエシカル消費に係る行動・認知・態度及び個人属性の間の相互関連を検討した。 エシカル消費行動の実施率は、日常生活の中のエシカル消費行動である「マイバッグ等の持参」、「省エネ」の実施率がそれぞれ86.5%、68.2%と最も高く、エシカル消費関連商品の購入については「地産地消」、「3R商品」の購入の実施率がそれぞれ60.7%,58.8%と回答者の半数を超え、以下「環境配慮商品」42.4%、「有機商品」39.5%、「フェアトレード商品」24.0%、「被災地支援」23.6%の順であった。 こうしたエシカル消費行動の要因関連の全体像を明らかにするため、近年様々な分野で分類・予測に対する有用性が示されているベイジアンネットワークの手法を適用し、エシカル消費の認知・理解・関心、環境配慮・社会貢献に関する意識、エシカル消費に関するマークの認知・理解・商品選択時の意識等、幅広い要因を組み込んだ行動モデルを構築するとともに、モデルの感度解析により行動の実施率向上に大きな効果が期待される要因を明らかにした。 また、アンケート調査データと購買履歴データを統合解析し、「どの2つの事柄が同時に起こる可能性が高いか」を抽出するアソシエーション分析を適用してエシカル消費に係る行動・認知・態度及び個人属性の間の相互関連を検討し、エシカル消費行動・エシカル消費関連商品の購入と同時発生する確率が高い要因・商品を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大の影響による行動制限の長期化により、当職の所属組織では東京への出張が長期間制限(実質的に禁止)された。その結果、研究協力の依頼先である東京都新宿区にあるパルシステム生活協同組合連合会への研究協力依頼、連絡調整が大幅に遅延し、研究計画で予定していた調査範囲の半分程度しか調査・データ解析が実施できていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、エシカル消費行動とその関連要因の類型化、各グループの規定因構造、期待される啓発効果の違いを比較する等、引き続き残された検討範囲についての調査・データ解析を進める予定であるが、コロナ感染拡大による行動制限によって半年以上調査研究活動が展開できなかった影響は極めて大きいと認識している。 当初計画していたICTを活用した啓発ツールの開発・効果測定については手つかずの状況であり、令和4年度に研究を完了することは実質的に困難と判断しており、研究機関の1年延長を申請する可能性が高いものと判断している。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大の影響による行動制限の長期化により、当職の所属組織では東京への出張が長期間制限(実質的に禁止)された。その結果、研究協力の依頼先である東京都新宿区にあるパルシステム生活協同組合連合会への研究協力依頼、連絡調整が大幅に遅延し、研究計画で予定していた調査範囲の半分程度しか調査・データ解析が実施できていない状況にあり、これにより次年度使用額が発生した。
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