2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K18563
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
田中 康裕 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (20533128)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 記憶形成 / 細胞外記録 / 機械学習 / 慢性記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい環境で試行錯誤をし、新たな記憶を形成するというプロセスは、動物にとって非常に重要な機能である。しかし、学習中、まさに動物の行動が変化する瞬間に神経活動のダイナミクスがどのように変化するのかは、まだ十分に明らかでない。本研究の目的は、哺乳類の生体脳から長期的に記録を取り、そのダイナミクスを長期間にわたって推定し、記憶が形成され、固定化するリアルタイムな過程を単一細胞解像度の神経活動ダイナミクスとして捉えることである。まず、ニューロピクセル電極を用いて、海馬・あるいは大脳皮質(後頭頂葉)から慢性記録を行うために、本年度は、慢性記録に用いるソケットの開発を行った。すでに海外で開発され、論文として発表されているものもあるが、より小型で汎用性があり、また埋め込み後のプローブの不調にも対応可能なものを作成し、試用段階である(神戸大学大学院・医学研究科・薬理学分野古屋敷智之先生らとの共同研究)。プローブを留置する際に正確な座標の決定が重要であるため、実験に使用するLong-Evansラットを用いて、脳定位アトラスを作成した。これについて、研究所紀要に発表した。仮想現実環境を用いた行動課題についてはUnityやMatlabを用いて開発中である。また、神経活動のダイナミクスをとらえる(モデル化する)方法としてはリカレントネットワークを使用する。本年度は記録済みの急性実験のデータを用いて、オートエンコーダーとしての性能を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニューロピクセル電極による慢性記録を開始したため。神経活動のダイナミクスのモデル化を開始したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より開発をはじめた慢性記録用ソケットを利用して、ニューロピクセルによる慢性記録と、その記録を用いたダイナミクスの解析を進める。
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Causes of Carryover |
半導体製品の入荷予定の不安定な状況などにより、電極や解析装置の購入が遅れた。また、技術補助員の選定が遅れた。既存の装置や電極を用いて研究自体は順調に進めているが、次年度には、今年度購入予定だった電極・装置を用いて研究を加速する。また、技術補佐員は本年度も継続して雇用する。
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Research Products
(10 results)