2022 Fiscal Year Research-status Report
Emerging of social category in infamts
Project/Area Number |
21K18566
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
板倉 昭二 同志社大学, 研究開発推進機構, 教授 (50211735)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的カテゴリ / 乳児 / 母子インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、乳児における社会的カテゴリの形成のプロセスやメカニズムを明らかにすることを主たる目標とする。2022年度は、母子インタラクション中に、コミュニケーションロボットを導入し、インタラクションの変化や母子の反応の変化を記録した。具体的には、発達科学では古典的なパラダイムともいえる、「Still Face Paradigm: 以下SFPとする」を用いて検討した。SFPは、以下の3つのフェイズからなる。1)母子が通常のインタラクションを持つ、乳児はポジティブな情動、2)母親が、児のいかなる働きかけにも反応しない、したがって、乳児はネガティブな情動を示す、3)母子が1)と同様のインタラクションに戻る、乳児の情動もポジティブに戻る、以上である。 このパラダイムと社会的カテゴリの関係のロジックとしては、2つ目のフェイズ(Still Face)で、ロボットがポジティブな働きかけをしたときに、母親と同じように、児のポジティブな反応を誘発できるかどうかということである。もし、それが可能ならば、自分を心地よくさせるパートナーとして、ロボットをパートナーとして分類した可能性が示唆され、こうした文脈において、乳児が社会的なカテゴリを形成した可能性をうかがわせる。その結果、逆にロボットが介入した場合に、心拍やストレス度が高くなった。本研究結果の一部を、ハンガリーで開催されたBCCCD国際学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
性別や人種といった、生物学的なカテゴリも極めて重要な社会的カテゴリである。しかしながら、生物学的カテゴリを超えた、文脈による社会的カテゴリをもヒトは創出する。本プロジェクトでは、実験で用いたStill Face Paradigmのような状況での、自身の情動状態を直接的に操作する関係を作るエージェントを導入することで、それが社会的カテゴリとして成立する可能性を探った。すなわち、Still Faceのフェイズで、ネガティブ情動に陥った乳児を、再びポジティブ情動へと誘導することができれば、養育者(母親)と同様に、信頼に足る社会的パートナーとしてのカテゴリに分類される。 なお、このパラダイム実施中に、顔の血流パターンを計測し、種々の生理学的データを取得するために、経皮光学イメージング法を導入した。その結果、コミュニケーションロボットが児とのインタラクションに参加すると,児の心拍数とメンタルストレスインデックス(心拍変動成分から測定された指標)がともに増加した。つまり、コミュニケーションロボットとのインタラクションが母親のstill face以上にストレスになる可能性のあることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果は、Still Face Paradigmを用い、そこにコミュニケーションロボットを導入することにより、母子インタラクションの質や、母親及び乳児の反応の変化を、経皮光学イメージング法により記録した。その結果、コミュニケーションロボットが児とのインタラクションに参加すると,児の心拍数とメンタルストレスインデックス(心拍変動成分から測定された指標)がともに増加した。つまり、コミュニケーションロボットとのインタラクションが母親のstill face以上にストレスになる可能性のあることが示唆された。しかしながら、ここで用いたコミュニケーションロボットが、本当にコミュニケーションロボットとして機能したかどうかが問題となる。乳児にとって、ロボットが真にコミュニケーションのパートナーとなるためには、ロボットがコミュニカティブな存在として認識される必要がある。そのためには、ロボットが、乳児に対して社会的随伴性を備えた存在となることが必要である。例えば、乳児がコミュニケーションロボットに働きかけた場合、適切な間で適切な反応を返すなど、乳児との直接的な社会的な関係を築くことがその一因となるかもしれない。 今後の方策としては、乳児とロボットの社会的関係を築くような場面を導入することにより、ロボットを母親と同様、自分をポジティブな情動に導く存在としてのカテゴリ化が可能となるかもしれない。
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Causes of Carryover |
コロナの影響もあり、参加児を十分に集客できなかったこと、また、それに伴う実験者謝礼金の使用ができなかった。実験実施者のバイトを雇用する予定が少なくなったことなどが影響して、このような結果となった。翌年度の計画は、参加児を大幅に増やし、複数の実験実施者のバイトを雇用して実験を進める。また、データ解析用の、実施者も別途雇用する。またそれに伴って必要となる、画像解析等のソフトウエア、スペックの高いラップトップのコンピュータの購入に充てる。さらに、論文投稿の経費としても使用する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Individual differences in children’s anthropomorphic tendencies to their special objects,2022
Author(s)
Yamaguchi, M., Xianwei, M., Ishibashi, M.,Moriguchi, Y., Mitsuishi, H., Itakura, S.,
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Journal Title
Cognitive Development
Volume: 63
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research