2021 Fiscal Year Research-status Report
The experimental study to explore the determinants of "bullying" - Group closeness, exclusion and aggression
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21K18569
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
横田 晋大 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (80553031)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 黒い羊効果 / 閉鎖性 / いじめ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、いじめを引き起こす環境要因と考えられる集団の閉鎖性の影響を検討することにある。そのため、いじめへと発展する可能性があるオストラシズムという現象の生起要因を検討することを通じて、いじめ問題の解決法の提案を行う。オストラシズムとは、個人を集団全体や集団成員で拒絶・排除する現象であり、集団内の秩序を維持するため行われる。いじめと大きく異なる点は、オストラシズムには攻撃行動が含まれない点である。いじめは「継続的な攻撃」が定義に含まれる。本研究では、オストラシズムをより攻撃的ないじめへと発展させる要因は何だろうか、との問いに対して、集団の閉鎖性の効果に着目する。集団の閉鎖性とは、集団への参加・離脱の困難さである。閉鎖性が高い場合、排除される側は集団を離脱することができないため、オストラシズムが有効となる。さらに、動物行動学の知見などに鑑み、閉鎖性が強くなると、オストラシズムが起こり、人々の攻撃性が高まるだろう、との仮説を立てた。本研究の仮説を検証するため、シナリオ実験を実施する。 昨年度および今年度では、大学生を対象にシナリオ実験の予備実験を実施した。仮説を支持する傾向が見られたが、シナリオの精錬が必要であり、その改善を行った。精錬したシナリオを用いて、一般人を対象にシナリオ実験を実施し、現在、データを分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シナリオの作成のため、予備調査を数回実施しているため。黒い羊効果が検出されるための規範や集団の特定に時間がかかっている。しかし、シナリオ実験では仮説が支持される傾向が見られており、計画自体は良い方向に進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
シナリオ実験におけるシナリオを完成させたうえで、サンプルを変更しながら実験を実施する。また、実験室実験の準備を行う。
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Causes of Carryover |
シナリオを完成させるために、学生を対象としたシナリオ実験の予備調査を繰り返しており、一般人のサンプル採集に必要な費用やそのデータのハンドリングを依頼する人件費がかからなかったため。また、コロナ感染予防のため、学会はオンラインのみであり、出張する機会がなかったため。 次年度は、シナリオが完成したため、積極的にデータの収集を行う。サンプルは学生および調査会社のモニターであり、複数回の追試を実施する。また、調査の結果が安定して見られた場合には、実験室実験の実施を計画する。もし結果が安定して見られなかった場合には、シナリオなどの修正を行い、追試を実施する。
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