2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K18570
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
菅原 翔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (80723428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 雅喜 生理学研究所, 生体機能情報解析室, 特任教授 (40330047)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 脳脊髄機能連関 / 身体運動 / 運動準備活動 / 機能的磁気共鳴画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドーパミン含有細胞が集まる腹側中脳は一次運動野を経由して脊髄へ投射する。この神経経路の機能的な意義は一体何なのか?我々のこれまでの研究で、腹側中脳と一次運動野を結ぶ経路が「意欲と身体運動へ変換する」機能と関連することが明らかになった。解剖学的経路を考えれば、意欲の情報は運動準備時に脊髄まで到達し、身体運動をより直接的に左右しているのではないか?この問いに回答を与えるため、「腹側中脳-一次運動野-脊髄を結ぶ神経経路が、意欲を身体運動へ変換する神経基盤である」ことを、課題遂行中に機能的MRIによる脳脊髄同時計測によって立証する。 2023年度は、2022年度に東京工業大学のMRI装置で取得した脳脊髄同時fMRI計測データの解析を行なった。fMRIデータの解析では、統計解析に先立つ前処理が極めて重要である。脳計測データの前処理は多くの蓄積によって最適化されており、誰でも利用可能なPipelineが構築されている。一方、脊髄計測データの前処理についてコンセンサスを得られたPipelineは存在しない。この点を克服するため、脊髄fMRIのパイオニアの1人である米国Massachusetts General HospitalのRobert Barry博士との共同研究をスタートさせ、彼らが開発しているPipelineを我々の環境に応用することで、より質の高い解析を実施することに成功した。具体的には、これまでマカクサルで立証されていた脊髄での運動準備活動をヒトで初めて描出することに成功し、脊髄固有ニューロン系と脊髄内介在ニューロン系の両方が、大脳皮質からの下降性信号を運動実行への準備として中継しているということを明らかにした。これらの成果を基に、脳脊髄同時fMRIで世界をリードしているJulien Doyon博士とShahab Vahdat博士と一緒にシンポジウムを企画した。
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Research Products
(2 results)