2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis for scalable Bayesian calculations
Project/Area Number |
21K18589
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
鎌谷 研吾 統計数理研究所, 統計基盤数理研究系, 教授 (00569767)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | Markov chain / Monte Carlo / Bayesian statistics / Scalability |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、ベイズ統計学の領域においてスケーラブルな計算手法を開発することである。スケーラブルな計算手法は、入力データの増加に伴う計算負荷の急増を抑えることを可能にする。ベイズ統計学は統一的な理論体系を持つ利点があるものの、そうした利点は却って手法を制限してしまうので、スケーラブルな手法を組み込むことは容易ではない。わずかな解析手順の変更でも、ベイズ統計学の枠組みを崩すおそれがある。近年、ベイズ統計学の枠組みにスムーズに統合できるいくつかのスケーラブルな計算手法が提案されてきた。しかし、確率過程を用いるこれらの手法には重要な欠点が存在する。確率過程の生成は比較的複雑で実装が困難であることである。本研究ではこの課題に取り組む。探索的な研究アプローチを通じて、解決策の初期段階を育て、将来の進展に貢献することを目指している。 令和三年度は、さまざまな既存の手法を詳細に調査し、スケーラブルな手法の体系化をこころみた。令和四年度は、とくに区分確定的マルコフ過程のオイラー・丸山型の近似の新しい技法の探索に焦点を当てた。令和五年度は、渡航制限がなくなり積極的な国際交流が可能になった。これが国際共同研究に繋がり、区分確定的マルコフ過程のシミュレーションにおいて核となる停止時刻の生成について、その強度を逐次的に正確に評価する頑健な方法を開発した。この工夫により計算負荷も低減され、区分確定的マルコフ過程を用いたモンテカルロ法の応用範囲が飛躍的に広がることが期待される。現在研究成果としてまとめている。
|
Research Products
(4 results)