2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K18590
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Chen Yong 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (30806732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 明哉 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (50568433)
LUSTIKOVA JANA 東北大学, 先端スピントロニクス研究開発センター, 助教 (90847964)
千葉 貴裕 福島工業高等専門学校, 一般教科, 講師 (90803297)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | トポロジカル物質 / 物性物理 / エキシトン超流体 / 熱電素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、二次元ヘリカルディラックフェルミオンに基づいた二層エキシトン凝縮体の実現によって高効率の超流動エキシトン熱電素子や非散逸エキシトン情報素子を創成し、二次元ディラック電子物性を活かした“トポロジカルエキシトニクス”の学理構築を行う。 そのために、3次元トポロジカル絶縁体の二次元ディラック電子物性に注目し、トポロジカル表面状態の二層構造において空間的に離れた電子と正孔のクーロン相互作用による二層エキシトン凝縮を実現する必要がある。今年度は、3次元トポロジカル絶縁体の剥離・転写法及び微細加工を行い、二層のトポロジカル表面状態の距離を制御したナノデバイスの作製を試みた。トポロジカル材料には、これまでの研究で所有する磁性・非磁性を制御した150種類以上のトポロジカル絶縁体を利用した。本研究では、特にバルクキャリアを伴わない二次元ディラックバンドを有する良質なBiSbTeSe2トポロジカル絶縁体を利用したデバイス作製法の検討やゲート電圧による二層トポロジカル表面のキャリアを独立的に制御可能か検証した。更に、理論計算からのアプローチも考慮しワークステーションの購入などを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍と半導体不足により、想定していた素子作製とその評価および理論計算の実施に遅れが生じた。これらの影響により当初予定していたデバイス作製後の計測実験や理論計算による検証が予定よりも遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、実験研究では、トポロジカル絶縁体ナノデバイスを作製し、そのクーロンドラッグ抵抗計測や二層逆流(bilayer counterflow)による熱電効率の検証を行う予定である。更に、これらの実験データと理論計算結果を比較する。これら研究を通して、最終的にトポロジカルエキシトン物性やトポロジカルエキシトン超流動及びエキシトンの操作やエキシトン超流体を利用した高効率の熱電素子並びに低散逸性エキシトン情報素子の開拓を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍と半導体不足により、海外からの購入を想定していた材料と理論計算用のワークステーションの購入が遅れため、購入物品を次年度始めの購入としたために、予定よりも遅れが生じた。
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