2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K18592
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 朋廣 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (50588019)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 量子ドット / ナノ・マイクロデバイス / デコヒーレンス / 量子情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子状態が壊れてしまうデコヒーレンスは、現状の現実世界の量子系では避けることができず、量子系の活用において問題となっている。しかし、もしこのデコヒーレンスをうまく利用できれば、有用な量子技術の要素として活用できる可能性もある。本研究では、操作性の良いデコヒーレンスを導入可能である半導体量子ドット系を用いて、デコヒーレンスについての物理解明を進め、これを活用した量子技術について研究している。本年度は特に半導体量子ドット系を用いた測定改良や、測定解析を中心に研究を行った。 半導体量子ドットの中には電圧等で人工的に制御可能な量子状態が形成され、これを活用することにより固体デバイス中で電子一個レベルでの高感度な電子の量子状態の測定が可能となっている。この手法を用いた測定について引き続き改良を進めた。また半導体量子ドット内の電子状態およびその状態遷移についての測定結果の解析を行った。半導体量子ドット内の電子状態遷移について解析と理論との比較を行い、半導体量子ドット系で観測されるミクロな物理現象の解明を進めた。またデコヒーレンスに関するパラメータの操作性の向上にむけて、デコヒーレンスに影響するパラメータには材料に依存するものがあるため、半導体量子ドット系材料の改善についても取り組みを行った。さらに半導体量子ドットにおける電子状態遷移を利用した、新しい量子状態操作手法や量子技術についての検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半導体量子ドット系を用いた測定改良や、測定解析が進んでいるため。また半導体量子ドット系についての材料改善や、量子状態操作についての検討も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き半導体量子ドット系を活用することにより、デコヒーレンスについての物理解明、およびこれらを活用した量子技術についての研究を進める。特に半導体量子ドットで実現される電子の量子状態遷移等について、量子技術としての活用方法の検討を行う。
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