2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of an innovative technique for heat load reduction on divertor plates in high-temperature plasma confinement devices
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21K18620
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
庄司 主 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00280602)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 不純物ダストドロッパー / ダスト粒子 / 高速カメラ / ステレオ視計測 / ダスト輸送シミュレーション / 大型ヘリカル装置(LHD) |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では、不純物ダスト粒子落下装置(IPD)から供給される各種不純物ダスト粒子の3次元軌道の計測のために必要となるステレオアダプター(2つの映像を1つの映像にまとめる機器)の詳細な検討および設計作業を主に実施した。本アダプターは、大型ヘリカル装置計画(LHD)の本体室内の中間ステージ上に設置されているステレオ視高速カメラ用の耐放射線防護ラックの中に収納して設置することになるため、できるだけコンパクトかつ非磁性、そして放射線(高エネルギー中性子&ガンマ線)に強いものにする必要があった。また、耐放射線イメージファイバー(2本)をステレオアダプターの対物側(Cマウント)に容易に接続できるようにするために、Cマウントを自由に回転して固定できる工夫が必要であった(イメージファイバーの過度な捻りを抑制するため)。このような特別な仕様を満たす市販品は存在しないことから、専用の特注品を製作する必要があった。そこで、専門の業者と光学設計等を進めることによって、2021年度末までに、その仕様をほぼ確定することができた(本製品を2022年4月中くらいに発注する予定である)。 2021年度中においては上記のステレオアダプターの検討の他に、本研究において、ダストの3次元軌道を解析するために必要となる汎用データ解析ソフトウェア(MATLAB)の更新、ダスト輸送シミュレーション解析用サーバーの計算速度をさらに高速化するためのネットワークカードを新たに購入した。さらに、本研究を遂行するのに必要となる各種光学部品、機械部品、消耗品等を新たに購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度末までに、当初の予定どおりにステレオアダプターの詳細な検討および設計作業を完了させることができたので、本製品を2022年の4月中くらいまでに発注することができる状態にある。また、不純物ダスト粒子落下装置(IPD)から供給される各種不純物ダスト粒子の3次元軌道の計測のために必要となるイメージファイバー(2本)の布設経路の変更および、溶融石英ビューポート(2箇所)、各種変換フランジ、光学レンズ固定用の架台(2つ)等の大型ヘリカル装置(LHD)の上部ポート(2箇所)への設置が、LHDの機器設置担当グループで承認されたので、2022年度に予定されている各種機器設置作業に大きな障害は無い。また、ダスト粒子の3次元軌道の解析のためのソフトウェアの整備も同時に並行して進められていることから、当研究計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、不純物ダスト粒子落下装置(IPD)から供給される各種不純物ダスト粒子の3次元軌道の計測に必要となるステレオアダプターの製作を完了して、LHDの本体室内に設置されているステレオ視高速カメラ用の耐放射線防護ラックの中に設置する作業を行う。また、既存のプラズマ監視用の耐放射線イメージファイバーの布設経路を変更することによって、それらのイメージファイバーを、不純物ダストドロッパー(IPD)から供給される各種不純物ダスト粒子の軌道を観測できるビューポートから耐放射線防護ラックまで布設する。さらに、不純物ダスト粒子の3次元軌道を観測するために溶融石英ビューポートを大型ヘリカル装置計画(LHD)の上部ポート(2箇所)に設置するとともに、各種変換フランジ、光学レンズ固定用の架台(2つ)を製作する。2022年度のLHDのプラズマ実験キャンペーンが開始される前までに、各種ダスト粒子(不純物を含んだ細かな個体粒)の軌道を計測するための準備を整える計画である。 プラズマ実験期間中においては、さまざまな実験条件(異なる加熱パワー、プラズマ密度、磁場配位、ダスト粒子種、ダスト粒子径など)において計測を行うとともに、その計測結果をダスト輸送シミュレーションコード(DUSTTなど)による計算結果と比較・検討することによって、プラズマとダストとの相互作用に関する詳細な物理的知見を得ることを計画している。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、各種国内外の会議・ワークショップ等に参加するための旅費および参加費を計上していた。しかしながら、新型コロナウィルスの収束が未だに見通せない状況のために、これらの会議はすべてオンラインとなったために、当初計画していた旅費を消費することができなかった。また、会議の参加費は当初の予定よりも安価になったために、次年度使用額が発生した。この残予算は翌年度分として請求した助成金と合わせて、各種国内外の会議・ワークショップ等に参加するための旅費および参加費として使用するとともに、各種消耗品の購入および、作業費に充当する計画である。
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Research Products
(9 results)