2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design of actuators consisting of tissue-like material by applying deformable skeletal structures
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21K18669
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
矢菅 浩規 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 特別研究員(PD) (10844582)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 微小液滴 / 脂質二分子膜 / マイクロ構造 / 液滴ネットワーク / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ゲルビーズを含む格子構造の積み重ねによる液滴ネットワークの形成の実証と、切り込みを加えた格子構造と刺激応答性ゲルを用いた変形の実証を試みた。まず、格子構造内でのアルギン酸ゲルビーズの形成を確認した。格子構造の製作は、当初3Dプリンタを用いて行う予定であったが、材料のヤング率が高くアクチュエータの実証に支障をきたすと判断したため、多方向フォトリソグラフィを用いた低ヤング率の光硬化性樹脂による製作に変更した。このように製作した格子構造中に、アルギン酸ナトリウム水溶液を満たし、ミネラルオイルで置換することで、アルギン酸ナトリウム水溶液の液滴アレイを生成することに成功した。続いて、ミネラルオイルを揮発性のあるノマルヘキサンに置換し乾燥させることで液滴を気中にさらした後、塩化カルシウム水溶液に液滴アレイを浸漬させることで、アルギン酸ゲルのアレイ化に成功した。続いて、ミネラルオイル下で2層の液滴アレイを積み重ね、同様にミネラルオイルから塩化カルシウム水溶液に置換することで、ゲルビーズからなる液滴ネットワークの形成を実証した。 次に、ゲルビーズからなる液滴ネットワークの内、一層の液滴を刺激応答性ゲルを含むアルギン酸ゲルに変更し、他層の格子構造に切り紙状の切り込みを入れることで、温度上昇による曲げ変形が可能かを検討した。液滴生成は、アルギン酸ゲルの場合と同様の方法をとり、切り込みは積み重ねの前にカッターを用いて物理的に形成した。オイルから塩化カルシウム水溶液への置換を行った後、温度を50℃まで上昇させたときにネットワークの曲げが生じるかを検証した。結果として、気泡により大きな変形は確認できなかったが、多少の動きは見られ、今後のアクチュエータ形成への足掛かりとなる結果を得た。
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