2022 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を援用したワイドギャップ半導体基板のスラリーレス電気化学機械研磨装置の開発
Project/Area Number |
21K18677
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60240074)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 電気化学機械研磨 / 超音波援用 / SiC / スラリーレス研磨 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度に超音波振動子を搭載した基礎実験装置を作製し、研磨特性を評価した。まず、超音波振動によって付加される歪によって陽極酸化レートが増加するかどうかを調査するために、短冊状の4H-SiC基板のSi面に対して4点曲げ機構により単軸の圧縮,引張歪みを静的に与えたときの陽極酸化レートの変化を評価した。その結果、どちらの場合も歪みが増大することで酸化レートが増加しており,加工変質層のような塑性歪みでなくとも弾性歪みでも酸化の促進に効果的であることをあきらかにした。次に、超音波振動子の先端にビトリファイドボンドのセリア砥石を設置し、4H-SiC(0001)に対して電気化学機械研磨実験を行なったところ、周波数35kHz, 振幅1.5μmの超音波振動を印加することで印加しない場合と比較して研磨レートが4.5倍の14.5μm/hに増加することがわかり、超音波振動印加の効果を確認した。 令和4年度は4H-SiC(0001)の研磨レートに係る各種パラーメータの依存性を評価した。評価したパラメータは研磨圧力、超音波振幅、電解液組成、固定砥粒定盤の回転速度、電解液温度である。研磨レートと研磨圧力、超音波振幅、回転速度、電解液温度に関しては正の相関があることがわかった。ただし、定盤の回転速度が大きくなり過ぎると酸化レートよりも酸化膜除去レートの方が大きくなるため研磨レートの増加が飽和する。研磨レートは上記パラメータの重畳により規定され、各パラメータにおける最適値(研磨圧力90 kPa, 超音波振幅2.5 μm, 電解液 0.42 wt% KOH, 定盤回転数 250 rpm, 電解液温度 75℃)を組み合わせることで、通常のCMPにおけるレートの20倍以上である24.3μm/hの研磨レートを得た。
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Research Products
(2 results)