2021 Fiscal Year Research-status Report
Feature extraction from vibrotactile data using autoencoder
Project/Area Number |
21K18680
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹村 研治郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90348821)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 触感 / 特徴量抽出 / オートエンコーダ / 機械学習 / 振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
外界を認識する上で視聴覚同様に重要な役割を果たしている触覚に関するハプティクス産業は2030年には400億ドル市場に成長するとも言われている.このため,触感の正確な計測は重要な課題のひとつであり,本研究は触感センサで計測した振動データから触感の違いを表す潜在的な特徴量を抽出し,ヒトが知覚する触感を精度よく計測する手法を確立することを目的としている. 一般的に,物体の触感を定量的に評価するためには被験者による官能評価実験が用いられているが,統計的評価には多くの被験者が必要であり,時間的,経済的コストが高い.このため,触感センシング技術が注目されている.このため,2021年度は以下の研究を実施した.はじめに,触感センサを開発した.触感センサは硬さの異なる2層のシリコーンゴム層によって形成され,各層に2つのひずみゲージを備えている.この触感センサが表面をエンボス加工されたプラスチックサンプルをなぞった際の振動情報を取得した.つぎに,ヒトが指で物体を触察した際に,指に発生する振動に起因した神経発火から特徴量を抽出している性質に倣って,ディープオートエンコーダを使用してセンサで取得した振動情報から特徴量を抽出した.並行して,官能評価実験によって被験者が同様のプラスチックサンプルを触察した際の評価語に対するスコアを取得した.最後に,サンプルに対して,振動情報から抽出した特徴量と官能評価スコアを繋ぐ触感推定モデルを学習した.また,振動情報から未知のサンプルの触感を推定し,その精度を評価した.この結果,開発したモデルは7つのサンプルのうち少なくとも4つの触感を適切に推定できることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも述べたように,本研究は触感センサで計測した振動データから触感の違いを表す潜在的な特徴量を抽出し,ヒトが知覚する触感を精度よく計測する手法を確立することを目的としている.当所計画の通り,オートエンコータを援用することによって,触感センサがサンプル上を触察した際に取得した振動データから10次元の特徴量を抽出できることが明らかとなった.また,ここで抽出された特徴量によって,官能評価実験の結果を推定する所管推定モデルも構築した.対象としたサンプルはエンボス加工されたプラスチック表面であるが,こうした成果によって,当初計画していた特徴量抽出の有効性を示した.このため,本研究は当初の計画に則って進んでおり,進捗状況は順調であると判断している.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在まで,本研究は順調に進行している.これにより,オートエンコーダによる振動データからの特徴量抽出の有効性が示されている.ここで用いた振動データは,高速フーリエ変換によって時間空間から周波数空間に変換されたデータであり,暗に一定速度で触察されることを仮定している.今後は,ヒトの触察行動が速度が変化する往復運動であることを考慮して,触感センサによる触察の際にも往復運動を含めて速度が変化する測定条件での計測を行い,ウェーブレット変換を導入して時間空間および周波数空間を同時に扱うことに拡張する計画である.前述のように,現在までの研究では抽出した特徴量から触感スコアを精度よく推定できるサンプルは限定的である.時間空間と周波数空間を同時に扱い,そこから特徴量を抽出することで,触感スコアの推定の精度が向上することを目指す.
|
Causes of Carryover |
2021年度は計画していた学術会議がオンライン開催となり,当初計画していた旅費が不要となった.2022年度は対面にて学術会議が開催される計画となっている(たとえばIEEE Sensors 2022, Dallas, USA, Oct 30-Nov 2を想定)ため,こうした機会で積極的に対外発表する予定である. また,2021年度に発表した学術論文に関して,掲載誌が学内補助の対象となったためオープンアクセス料を直接経費から支出する必要がなかった.2022年度に学術論文を発表する際にこの費用を活用してオープンアクセス化を目指し,広く成果を社会に還元する計画である.
|
Research Products
(1 results)