2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of energy harvesting technique of thermally induced electromagnetic induction using first order magnetic phase transition
Project/Area Number |
21K18705
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
枦 修一郎 東北学院大学, 工学部, 教授 (90324285)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 環境発電 / 磁気相転移 / 熱誘起 / 電磁誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
アーク溶解法を用いて、鉄(Fe)とロジウム(Rh)の原子濃度比が1:1となるFe-Rh合金の作製を行い、約60gの母合金を得た。その母合金を再度溶解し長尺の金型に流し込むことで棒状インゴットを作製した。評価用試料として、幅5mm、厚さ2.5mmで、長さがそれぞれ7、43、86mmの試料片を切り出し、結晶構造のCsCl型の規則化を行うため熱処理を施した。1100℃で24時間の保持時間に加え、熱処理後の降温時においては徐冷が必須のため、計40時間程度の熱処理時間を要した。 熱処理後の試料(5×7.4×2.5mm)について、振動試料型磁力計を用いて室温の磁化曲線の測定を行ったところ、室温で26.8emu/g(印加磁界:5kOe)の磁化値を示した。次に磁化の温度特性の測定を行った。測定条件は液体窒素温度(-196℃)から160℃まで上昇させ、その後-100℃まで冷却した。測定結果より、0℃付近から1次磁気相転移により磁化値が上昇し始め約120℃で133.6emu/gの最大磁化値を示した。温度変化による磁化の勾配は2emu/g/℃となり緩慢な変化であったが、昇温時と降温時の温度差である温度ヒステリシスは約10~15℃とかなり小さい値が得られた。。以上の結果から、結晶構造の規則化のための熱処理条件が十分ではなく、強磁性を示す不規則構造(fcc)が残存しており、その割合を磁化値から概算すると約1/5程度と見積もられる。他の試料においても概ね同様な結果であった。 これらの試料を用いて、100℃程度の加熱状態から液体窒素を吹きかけて急速冷却することで、熱誘起相転移による磁化(磁束)変化に伴う電磁誘導発電が可能か試みたが、明確な誘導起電力は確認できなかった。 よって、急峻な磁気相転移特性を示す試料が得られるよう、より高温での熱処理を施し、目的とする電磁誘導発電の可能性について検討を継続中である。
|