2022 Fiscal Year Annual Research Report
電力変換器のEMI対策を全自動で行うデジタルゲート駆動システムの理論構築と実証
Project/Area Number |
21K18711
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高宮 真 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20419261)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 勝裕 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70837294)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 電力変換器 / 電磁妨害 / パワーデバイス / ゲート駆動 / スイッチング損失 |
Outline of Annual Research Achievements |
電力変換器の開発において、電磁妨害(Electro Magnetic Interference: EMI)は高コスト化と開発計画の遅れの原因となる長年の深刻な課題である。なぜなら、EMIフィルタやEMIシールド等のEMI対策部品を追加してはEMIを測定し、なおEMI規格への違反が判明した場合はさらにEMI対策部品を追加あるいは変更するといった試行錯誤が必要だからである。 我々は、これまでにパワーデバイスのスイッチング損失とスイッチングノイズのトレードオフを打破するために、独自のデジタルゲート駆動ICチップを用いた自動ゲート波形最適化システムを実証した。本研究では、デジタルゲート駆動ICがソフトウエアで任意の最適化目標を設定可能である点に着目し、EMI規格合格とスイッチング損失最小化を同時に実現する「全自動EMI規格対応デジタルゲート駆動システム」を実現した。 具体的には、連続動作する昇圧DC-DCコンバータにおいて、組み合わせ最適化アルゴリズムに対して満たすべきEMI規格と入力電圧の伝導EMIスペクトラムの実測結果とIGBTのスイッチング損失の実測結果を与え、6 bitのデジタルゲート駆動ICの駆動パラメータを最適化アルゴリズムによって変化させながら多数回の測定を繰り返すことによりEMI規格合格とスイッチング損失最小化を同時に自動的に実現した。 本研究成果により、電力変換器におけるEMI問題を簡単・迅速・低コストに解決するだけでなく、電力変換器の損失を低減することができる。
|
Research Products
(1 results)