2021 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ光周波数コムによる超低位相雑音THzキャリア発生
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21K18726
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久世 直也 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (50852258)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 光周波数コム / THz / 低位相雑音 |
Outline of Annual Research Achievements |
Society 5.0が実現された社会では大容量・高速な無線通信技術が必要であり、第5世代通信の先の通信(beyond 5Gと呼ぶ)の時代が訪れる。Beyond 5Gで使われるキャリア周波数は最大1 THzまで想定され、エレクトロニクスでは扱うことが困難になる。この困難を解決するために近年ではフォトニクスからのアプローチが研究されているが、現状の2台のCWレーザーを用いる方法ではTHz発生はできるが、位相雑音が悪いという問題がある。この問題を解決するために、本研究ではマイクロ光周波数コム(以下、マイクロコム)に着目する。マイクロコムのコムモード間隔は100 GHz以上であり、マイクロコムをフォトディテクタに照射し、光電変換によってTHzを発生する。その際、コムモード間の位相雑音がTHzに転写されるため、本研究ではコムモード間の位相雑音の低減を試みる。 今年度は、マイクロコムのコムモード間の位相雑音のための光学系と制御システムを構築した。光学系としては2波長自己遅延ヘテロダイン干渉計(以下、TWDI)を構築し、コムモード間の位相雑音の検出を行った。制御系としては、TWDIにより検出したコムモード雑音をエラー信号とし、マイクロコムの発生に使用するCWレーザーにフィードバックを行うフィードバックループを構成した。さらに、フィードバック制御によりコムモード雑音の40 dB以上の低減に成功した。また、実際にマイクロコムを元にTHz発生・検出のためのシステムも構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノイズ低減の原理実証実験が進み、THz発生・検出のシステムも開発できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はノイズ低減したマイクロコムを使って実際に低雑音THz発生を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ・半導体供給不足により納期が長くなり、年度内の納品が難しかったため。新年度明け後、納期に余裕を見て購入依頼する予定である。
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Research Products
(9 results)