2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of polarization of dielectric particles for developing rapid diagnosing methods
Project/Area Number |
21K18728
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 道彦 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00447856)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 微粒子 / 表面電気物性 / 複素誘電率 / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
誘電体微粒子の分極は複素誘電率に依存する。これまでは複素誘電率のうち導電率の影響については詳しく調べられているものの、誘電率の影響についてはよくわかっていない。そこで、本研究では、微粒子表面に付着した物質の誘電率の分極に対する影響を明らかにすることを目指した。 誘電体微粒子のDNA結合に伴う誘電率の変化を測定するために、レーザー回折式粒度分布計を利用できるかどうかを試みた。これまで、微粒子表面の誘電率を評価する方法はなかった。本研究にて、初めてそのことに取り組んだ。その結果、本法によって微粒子表面の誘電率測定が可能であることを示唆する結果を得た。DNA修飾によって回折角度が変化することが示され、DNAの誘電率による効果が示唆された。 微小粒子の誘電泳動特性の評価として、細胞外小胞の一つであるエクソソームの誘電泳動特性について調べた。牛乳由来、ヒト母乳由来、ヒトがん細胞(MCF-7)由来エクソソームの誘電泳動特性から、牛とヒトとではその特性が大きく異なること、また、ヒト由来のエクソソームを覆う脂質二重膜は、由来細胞と同程度の膜キャパシタンスを有していることが明らかになった。他方で、誘電泳動挙動から見積もられたエクソソーム内部の導電率は、細胞質の導電率とは大きく異なっていることが示された。これは、懸濁水溶液の浸透圧を調製することによって値が変化したことから、懸濁水溶液の浸透圧による影響であることが示された。がん細胞由来エクソソームを誘電泳動によって分離・回収可能な周波数領域を示した。
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