2022 Fiscal Year Research-status Report
分極反転圧電薄膜を用いた基地局向けの耐電力小型音響共振子フィルタの実現
Project/Area Number |
21K18734
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳谷 隆彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10450652)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 圧電薄膜共振子 / 音響ブラッグ反射器 / エピタキシャル成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
基地局向けのRFフィルタには数W以上の耐電力性が求められる。5Gでは4Gに比べて多くの基地局が必要となる。圧電薄膜の分極を反転させて多層にしていけば、音波の共振周波数はそのままに、厚さを層数倍していくことができる。理論上、このような構造では高い耐電力性が期待できる。しかしながら、国際的に見て、薄膜の分極反転多層成長の実験的な成功例はない。本研究では、独自の圧電薄膜の分極反転多層構造および多結晶薄膜に比べて損失の小さい単結晶薄膜を用いて、耐電力性を向上させた小型周波数フィルタの実現をすることを目的としている。耐電力性の高いフィルタを得るには、従来の橋げた構造(FBAR構造)に比べて、基板に固定されており、排熱が容易なブラッグ反射器を用いた構造(SMR構造)の採用が必要と考えられる。まず、昨年度に構築したパルスエコー法による音響多層ブラッグ反射器の機械特性評価技術を拡張した。具体的には、昨年度まで超音波トランスデューサにはc軸垂直配向のScAlN圧電薄膜を用いて縦波のみを評価していたが、今年度には新たにc軸傾斜配向のScAlN圧電薄膜を開発し、世界初の横波の音響多層ブラッグ反射器の機械特性に成功した。さらにシミュレーションと実験の両面から有効性も確認できた。また、耐電力性向上に向けて、(111)Pt/サファイア基板へのScAlN圧電薄膜のエピタキシャル成長実験も行った。その結果、ScAlN圧電薄膜の(10-11)極点図では、理論通り明確な6回対称を確認することができ、エピタキシャル成長を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たにc軸傾斜配向のScAlN圧電薄膜を開発し、世界初の横波の音響多層ブラッグ反射器の機械特性に成功した。シミュレーションと実験結果も良い一致を示した。(111)Pt/サファイア基板へのScAlN圧電薄膜のエピタキシャル成長実験を行った結果、ScAlN圧電薄膜の(10-11)極点図では、理論通り明確な6回対称を確認することができ、エピタキシャル成長を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに高周波帯のブラッグ反射器の評価技術の確立および、エピタキシャル成長圧電薄膜をブラッグ反射器上に形成する手法について確率する。
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Causes of Carryover |
値引きなどにより、少額の残額が生じた。
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