2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly sensitive pathogenic microbial sensors with nano-sized reaction fields
Project/Area Number |
21K18737
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
直径5 nmの金ナノ粒子溶液35 μLにMilli-Q水または異なる濃度のNaCl溶液25 μLを添加し,試料のNaCl最終濃度が0,18,36,182,364,1818 mMとなるように調整した.試料を95℃で3分加熱したのち,吸光スペクトル測定を行なった.吸光スペクトル測定に用いた試料を回収し,石英導波路に10 μL滴下した.滴下から30分後に散乱光スペクトルを測定した. NaCl最終濃度が高くなるほどスペクトルがブロードになり,スペクトルが長波長側へシフトした.0 mMから36 mMまではスペクトルがわずかに長波長側へシフトしたのみで,吸光度の低下は見られなかった.対して,182 mMより高い濃度ではスペクトルのシフトと吸光度の低下が顕著であった.また,ピークの吸光度(またはピークがはっきりしない場合は吸光度の最大値)は,0 mMが0.71であったのに対し,1818 mMでは0.31であった. NaCl最終濃度が高くなるにしたがって吸光度比が対数関数的に増加した.吸光度比の変化が対数関数的であったのは,粒径が大きくなると粒子数が減少し粒子濃度が低下するため,吸光度の変化が小さくなっているためであると考えられる. 本研究室の光導波路分光装置を用いて金ナノ粒子の散乱光スペクトルを測定できること,異なる凝集状態(粒径)の金ナノ粒子で散乱光スペクトルが変化すること,を確認することができた.また,吸光スペクトルと散乱光スペクトルはNaCl最終濃度の変化に対して同様の挙動を示したが,散乱光スペクトル測定はNaCl濃度による試料表面の散乱状態の変化の影響を大きく受けることが明らかとなった.
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Research Products
(7 results)