2022 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ通信ケーブルが拓く新しい活断層調査と構造のリアルタイムモニタリング
Project/Area Number |
21K18748
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮澤 理稔 京都大学, 防災研究所, 准教授 (80402931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 恒 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20302078)
辻 健 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60455491)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 光ファイバーケーブル / DAS / 振動測定 / 構造物 / トラフィックシグナル / 京都府南部 |
Outline of Annual Research Achievements |
近畿地方整備局京都国道事務所が管理する一般国道9号沿いの光ファイバーを、分布型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing; DAS)の技術を用いて振動測定した。測定期間は2022年9月1日から2022年10月20日までの50日間である。利用したDAS機材は、ニューブレクス社製のNBX-S4100である。測定したケーブル長は51kmであり、空間サンプリング約5.1m間隔、時間サンプリング500Hzで振動を連続的に測定した。これはすなわち10,000箇所で振動を同時に測定したことに相当する。今回の測定では、さらにTW-COTDR(Tunable Wavelength Coherent Optical Time Domain Reflectometry)による測定を、DASの開始時、測定期間中、そして撤収時にそれぞれ1度行い、より詳細な歪みの変化の分布を測定した。DASの記録からは、日中の車両通過によるトラフィックノイズや、橋梁等の構造物の常時振動が明瞭に観測されていた。これらの記録から、ケーブル沿いの地盤増幅率の推定を試みた。また、トラフィックノイズ解析による車両数と、トラフィックカウントとの間には正の相関が見られた。京都府南部で発生した地震活動も捉えることができた。例えば10月19日に同地域で発生したM3.2の地震(最大震度2)とM3.4地震(最大震度3)が記録されていたが、今回の測定ではゲージ長を空間サンプリングと同じ約5.1mとしたため、これまでの方法に比べて多くのチャネルで振幅が振り切れずに測定することができた。さらに9月18日に発生した台湾の地震(M6.9)についても、複数チャネルの波形をスタックすることで、広帯域地震計による記録をよく再現することができていた。このように、短周期から長周期の揺れに対しても精度高く観測することができ、また工学的・理学的分野の解析に応用可能であることを示すことができた。
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Research Products
(6 results)