2021 Fiscal Year Research-status Report
「掘りクズ」から「コア試料」への3Dデジタル転生による海底下超深部の岩石物性評価
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21K18751
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
浦本 豪一郎 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 講師 (70612901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 亘 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (70435840)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | カッティングス / 3Dモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
国際プロジェクトによる海底下超深度(>3,000m)ボーリングコア掘削で採取される試料に「カッティングス」がある。これは米粒サイズの「掘りクズ」だが、超深度地下環境の情報を保持した貴重試料である。本研究ではデジタルモデルと3Dプリント技術を組み合わせ、地震発生帯の模造岩石を作成することで、従来、カッティングスのみから知ることが困難だった、超深度の地震発生帯の環境を知ることで、プレート境界断層帯の地下環境の復元を試みる。 2021年度は、まず、標準岩石試料を用いた基礎研究によって、カッティングスを、模造岩石コア試料へのデジタル化する試料処理やCTスキャンによる3Dデータ取得の諸条件を検討した。実験では、間隙径の異なる標準岩石について、サブサンプルの画像解析による孔隙径分布の推定を行った。その結果、CTスキャンの画像処理法の作業工程を構築した。他方、重元素を含む溶媒を含浸した試料について大型放射光施設SPring-8のマイクロCT測定により、重元素の吸収端前後の試料測定による孔隙特異的な可視化を試みる実験を行った。しかしながら、エネルギーの大きい放射光マイクロCTでは、イオン液体だけでなく、鉱物粒子も大部分のX線が透過し、画像解析に必要十分なコントラストを得ることができなかったため、最適な放射光のX線コントラストが得らるための条件検討が必要である。 他方、本研究で行う物性分析に使用する透水係数測定装置の移設と再セットアップに時間を要したため、測定計画に遅れが生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
標準岩石試料の3Dデータの取得や画像処理の諸条件を検討できたものの、放射光マイクロCTによる実験では、十分に画像コロントラストを得る条件検討に至らなかった。また、物性分析において使用する透水係数測定装置の移設に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
放射光マイクロCTの試料計測では、段階的に濃度変化させた重元素溶媒を用意し、最適な放射光のX線コントラストが得られる条件を検討する。また、透水係数測定装置の移設は2021年度末に完了したため、2022年度は速やかに透水係数を測定し遅れを取り戻す。 これらの実施のため、支援員を雇用し、速やかに測定できるように体制を整える。
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Causes of Carryover |
本研究で使用する透水係数測定装置の移設と再セットアップに時間を要し、測定計画に遅れが生じたため。装置移設は2021年度末に完了しており、2022年度は支援員を雇用することにより速やかに測定を進める体制を整える。
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