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2022 Fiscal Year Research-status Report

Development of novel functional concrete materials using materials informatics

Research Project

Project/Area Number 21K18759
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

西脇 智哉  東北大学, 工学研究科, 准教授 (60400529)

Project Period (FY) 2021-07-09 – 2024-03-31
Keywordsコンクリート / マテリアルズ・インフォマティクス / 高機能コンクリート / 低炭素型コンクリート
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は、新しい機能を付与したコンクリート材料について、近年発展が目覚ましいマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用することを提案し、材料開発に生かすための手法について検討するものである。2022年度までの研究実績としては、MIの根幹となる機械学習に必要な基礎データベースの構築ため、既往文献ならびにこれまで自ら実施した実験パラメータと結果の整理を行うとともに、特に低炭素型コンクリートを対象とした調合設計に取り組んだ。その結果、セメント量を96%削減した場合においても圧縮強度60 MPa程度を実現可能な、新しい低炭素型コンクリートの調合を得ることができた。これは、一般的なコンクリートと比較してCO2排出量を大きく削減できるのはもちろんのこと、セメントを使用しないことで近年注目を集めているジオポリマーコンクリートなどと比較しても、従来から用いられているコンクリート材料のみで作製可能な点に利点がある。ここでは、セメントに加えて高炉スラグ微粉末・フライアッシュ・シリカフュームの3種類の混和材料を結合材として用いており、これらのパラメータを網羅的に変化させて実験を繰り返すことは容易ではない。これらの使用量をパラメータとして力学特性のデータベースを構築して学習させることで、外挿的なパラメータを含めて複数の候補を抽出して候補となる調合を現実的な数(10種類程度)の種類として選定して実験を行った。ここで得た実験結果をデータベースに加えることで、さらなるモデルの高度化を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度の本研究課題に関する検討項目は、近年の極めて大きな注目を集めており、そのため最近のデータ収集が比較的容易と考えられる低炭素型コンクリートを主な対象として検討を行った。文献調査とこれまでの実験データの整理を通じて基礎的なデータベースの構築を行って、使用材料となるセメントおよび混和材である高炉スラグ微粉末・フライアッシュ・シリカフュームの3種類をインプットデータとして調合設計について検討を行った。アウトプットデータとして、最も基本的な指標となる圧縮強度と、低炭素型コンクリートとして要求される材料由来のCO2排出量を選択し、インプットデータとの関係を確認した。2021年度に基本的なモデルとして準備した機械学習プログラムを用いて検討を行ったところ、検討の範囲内で最も適切と考えられるセメント量を96%削減しつつ、圧縮強度60 MPa程度を実現できる調合を含めた複数の調合が得られた。また、これらの調合を現実的な実験の量として実施して整合性を確認することができた。

Strategy for Future Research Activity

2023年度については、2022年度までの検討を継続することを基本とし、主に低炭素型コンクリートに関してデータベースの構築・拡充と、このデータベースを用いて機械学習を行うためのプログラムの開発・改良に取り組む。データベースの構築については、ここまでと同様に出版された論文などアクセス可能な文献などからのデータ取得と、2022年度の実験結果を含めた研究室内で蓄積している実験データを整理して使用可能な格納項目としての整備を継続する。プログラム開発については、現在調査を進めているMI先行分野でのプログラムなどを参照しながら、コンクリート材料に適用可能な形に調整することで開発を進める。
コンクリート材料分野では、MI検討で広く用いられるコンビナトリアル実験のような大量のデータを一括で収集することは極めて難しい。2022年度の検討で行ったように、候補となる調合をMI検討から複数抽出して、その実験データを蓄積しつつ文献に開示される実験結果を調査してデータセットを拡充していく。低炭素型コンクリートについては、近年膨大な数の論文が出版されており、このようなデータを取得するために適した対象である。適切な実験検討を並行して行うことで、MIによる調合設計案の有効性を確認する。

Causes of Carryover

差額が生じた主な理由は、当初計画で計上していた旅費の使用額が小さかった点が挙げられる。コロナ禍に伴う移動制限は年度後半には大きく緩和されたが、大きな制限が存在していた年度前半での出張の見送りや、情報収集のために参加予定であった学会がオンライン開催となったことなどから予定していた金額のすべてを執行しなかった。2023年度現在は、行動制限が基本的になくなったと判断されるため、必要な情報収集などを積極的イン行う予定である。また、解析コンピュータについても、効率的な運用のために追加を予定している。

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Published: 2023-12-25  

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