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2021 Fiscal Year Research-status Report

Development of chemical weathering index to build innovative landslide monitoring

Research Project

Project/Area Number 21K18785
Research InstitutionFukushima University

Principal Investigator

川越 清樹  福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (30548467)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藪崎 志穂  総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 研究員 (60447232)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2024-03-31
Keywords化学的風化指標 / 土石流危険渓流 / 土砂災害発生予知 / 化学成分 / 被災回避
Outline of Annual Research Achievements

近年の豪雨災害の発生や気候変動に基づく降雨予測より,災害対策の高度改良だけでなく,多岐の科学技術を導入した安全な社会構築に向けての防災効果の高い革新的な防災技術の開発が急務といえる.本課題では,人的被害を引き起こしやすい土砂災害の発生予知と事前の被災回避を目的にした「化学的風化指標」と「指標を用いたモニタリング」による防災技術の開発に取り組んだ.
本年度は,令和元年東日本台風時に多くの斜面崩壊が発生した阿武隈高地の小流域(花崗岩地域),および阿武隈川(太平洋側,花崗岩地域・新第三系堆積岩地域)と雄物川(日本海側,新第三系堆積岩地域)という空間スケールの異なる2つの研究対象に絞り,表流水のサンプリングと化学成分分析データを取得し,数値地理情報,衛星画像などの空間情報による地域特性を比較して各流出水の化学流出特性を検証した.
阿武隈高地の小流域に関すれば,花崗岩の風化により溶脱しやすいCa, Na, Kの元素負荷量が阿武隈高地北部で卓越している結果を得た.当該地域は,地質図より示される風化劣化の分布と類似することに加えて,斜面崩壊集中した領域とも一致した結果を示した.したがって,指標の導出に有効な元素成分の抽出することができた.
阿武隈川と雄物川の比較に関すれば,元素傾向が一部の支川に優先されて流出している傾向を把握した.いずれも温泉地帯であり熱水変質領域に関しては敏感に元素負荷量が高まる結果が得られた.一応,熱水変質も風化と類似した結果であるものの,斜面崩壊領域の抽出までは同定が困難になる状況にある.
2つの研究対象の取り組みにより,風化指標を構築するための有効な元素負荷量は把握でき,風化的プロセスとの整合性も得ることができた.ただし,課題として,狭義の事例であるため,今後,広域(日本列島規模)での検証が必要になることが挙げられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画では,広域での比較をサンプリングした後に化学成分を比較する方針としていたが,感染に対する行動制限により当初計画通りの進行は達成できなかった.
一方で,狭義,特定の対象領域では,緻密な解析を展開することができ,化学風化のプロセスが整理され,最終目標となる化学的風化指標の構築に利活用できる化学元素を抽出することもできた.いわゆる,研究計画の順番は社会情勢により変更されたものの,おおよそ目標になる全体研究計画に対して概ね進捗した状態となっている.

Strategy for Future Research Activity

現在は,気候帯,地質の異なる流域に応じて最低限のサンプルデータが取得され,化学成分の特徴,プロセスの整理,化学的風化指標のベースとなる化学元素の抽出までの解析が実施された.
今後は,現在まで解析により構築された結果に対する広域(日本列島)で検証していくサンプルデータを収集していくこと,また,サンプルされた化学成分の特徴を比較することが課題として挙げられる.したがって,研究代表者,分担者と連携して,広域のデータ取得を収集することに尽力し,化学成分の導出に取り組む意向である.プロセス一致する傾向を定量化できれば,化学的風化指標までの課題まで順調に進めることが可能になる.

Causes of Carryover

当初計画では,1年目に異なる気候,地質に応じて全国規模を対象に試料サンプリングを行い,サンプリングの化学成分を同定するとともに地域的化学解析,時間的化学解析も進めて,2年目以降にプロセス解析を重点的に進める予定であった.しかし,新型コロナ感染予防の制限に伴い,限定的な気候,地質の領域のみでしか試料サンプリングが実施できない状況となった.そのため,限定地域を対象に地域的化学解析,時間的化学解析,プロセス解析,検証解析まで一連で解析する対応に変更した.ただし,方法論の変更にとどまるゆえに,地域的化学解析,時間的化学解析からプロセス解析,および2年目後半から3年目前半に実施する予定であった検証解析までの一連の解析方法基盤が構築された.
変更された計画では,2年目に地域的化学解析,および時間的化学解析に利用しなければならない試料サンプリングを重点化して,全国規模に拡張して実践する計画とする.また,当初は業務2年目に全国規模で進める予定であったプロセス解析を,限定的な地域で先行してきた経緯も含めて,全国規模の解析解析に拡張し,研究を加速させる予定とする.この対応により,広域を対象とした土砂災害モニタリングを構築するための化学的風化指数の研究を進める.

  • Research Products

    (8 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] 化学組成に基づく流域内の物質流出特性の解析2021

    • Author(s)
      幡谷有翼,川越清樹,藪崎志穂
    • Journal Title

      土木学会地球環境シンポジウム講演集

      Volume: 29 Pages: 131-134

  • [Journal Article] 流出水の化学組成による地質状況の風化同定の検討2021

    • Author(s)
      川越清樹,佐藤綺香,藪崎志穂
    • Journal Title

      土木学会地球環境シンポジウム講演集

      Volume: 29 Pages: 149-150

  • [Presentation] 阿武隈高地を対象にした地質風化度を導出する河川特徴の解析2022

    • Author(s)
      佐藤綺香,薮崎志穂,川越清樹,幡谷有翼
    • Organizer
      令和3年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [Presentation] 阿武隈川と雄物川の地域固有性の解明のための流域比較検討2022

    • Author(s)
      幡谷有翼,藪崎志穂,川越清樹
    • Organizer
      令和3年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [Presentation] 化学組成に基づく流域内の物質流出特性の解析2021

    • Author(s)
      幡谷有翼,川越清樹,藪崎志穂
    • Organizer
      第29回土木学会地球環境シンポジウム
  • [Presentation] 流出水の化学組成による地質状況の風化同定の検討2021

    • Author(s)
      川越清樹,佐藤綺香,藪崎志穂
    • Organizer
      第29回土木学会地球環境シンポジウム
  • [Presentation] 流域の化学流出成分をトレーサーとした地域特性の同定2021

    • Author(s)
      幡谷有翼,藪崎志穂,川越清樹
    • Organizer
      第11回同位体環境学シンポジウム
  • [Presentation] 化学成分を利用した阿武隈高地の風化帯分布域の検討2021

    • Author(s)
      川越清樹,佐藤綺香,藪崎志穂
    • Organizer
      第11回同位体環境学シンポジウム

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Published: 2022-12-28  

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