2021 Fiscal Year Research-status Report
自律アラート機能を有した超低コストガスセンサ開発と分散システムによる漏洩可視化
Project/Area Number |
21K18787
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡崎 慎司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50293171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 尚哉 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20361868)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 水素検知スイッチ / 分散型ガス漏洩検知システム / 自律アラート / 白金担持酸化タングステン |
Outline of Annual Research Achievements |
水素漏洩検知技術のイノベーションを目指し、単一のセンサデバイスから高精度・高分解能のアナログ信号を得て危険性ガスの漏洩をモニタリングする現行システムの在方をブレークスルーする次世代漏洩検知システムを提案する。初年度である2021年度は、数多くの超低コストON-OFFガスセンサを用いた分散型センサシステムを実現し、センサが自律的に発生したアラート信号を電波あるいは音波伝送手段で信号処理システムに無線化集約するシステムの構築を目指したデバイスの開発に着手した。申請者らは、白金触媒を担持した酸化タングステン薄膜の電気抵抗が、水素の存在により常温域はもちろんのこと-20℃の低温環境においても、数桁のオーダーで絶縁体レベルの高抵抗状態から導体レベルの低抵抗状態まで劇的に変化することをこれまでの研究で発見している。そこで、この現象をガススイッチング作用として利用し、電池電源と直列に接続するだけの簡単な構造で分散型センサシステムに適用可能な超低コスト水素漏洩簡易検知素子を作製した。具体的には、石英基板に櫛型電極を形成し、その部分に申請者が開発したPt/WO3膜を固定化したデバイスの作製を進めるとともに、安定性や水素応答性についても良好な結果を得た。さらに、そのデバイスを電池と信号伝送部を含む回路に組み込んだセンサデバイスを実現することにも成功し、検出感度をはじめとする基本動作特性を明確化することができた。この素子は、水素が存在しない通常の状態では、消費電力がほぼゼロでエネルギー消費がなく、センサはOFFの休眠状態となり、環境変動によるドリフトの影響もない。一方、水素が存在する場合は、水素ガスによるスイッチング作用が生じ、センサ回路に自律的に電流が流れアラートを発生させることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は自律アラート発生可能な簡易ガスセンサデバイスの構築を目指し、石英基板に櫛型電極を形成し、その部分に申請者が開発したPt/WO3膜を固定化したデバイスの作製を順調に進めるとともに、安定性や応答性についても良好な結果を得た。さらに、そのデバイスを電池と信号伝送部を含む回路に組み込んだセンサデバイスを実現することにも成功し、検出感度をはじめとする基本動作特性を明確化することができた。現状では、信号伝送部として、まず無線伝送についてはRFID技術を用いたアンテナ構造を、超音波伝送については圧電素子をセンサ部と一体化させた低コスト構造について検討を進めているが、おおむね順調な進捗状況と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では、信号伝送部に関する検討として、無線伝送についてはRFID技術を用いたアンテナ構造を一体化させるための方策を検討中であるが、既存のビーコン(橋梁の加速度などを多点測定することなどを目的としたアクティブタグの加速度センサビーコン)が目的に合致する要素デバイスであることが分かり、これに水素スイッチを付与する構造を実現することで漏洩検知システムの構築を推進することが可能と考えている、一方、当初は超音波伝送としての圧電素子との一体化を検討していたが、波長特性の異なる音波発生素子を利用して、音源可視化技術と統合することで実現性を推進する可能性もあり、検討を進めている。また、技術検証段階で論文化ができていないが、2022年度は学会発表などを積極的に進める。
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