2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of short-period measurement method for landslide detection required for prompt application to governmental financial support
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21K18794
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小暮 哲也 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70534006)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 短時間計測 / 高精度ひずみ・温度変化測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度には,短期間の観測で地すべり挙動を把握するために必要な測定システムを構築した。また,野外計測の実施場所について検討した。 【測定システムの構築】 当初の予定では測定装置をレンタルする予定だったが,急遽レンタルできなくなった。そこで,光ファイバセンシングの専門家のアドバイスを基に,入手可能な装置を購入・組み合わせて測定システムを構築した。その結果,当初レンタル予定だった測定装置と比較して,データの測定精度と空間解像度は同等,測定の所要時間は1000分の1程度のシステムを構築出来た。測定時間がきわめて小さいということは,この測定システムが地すべりのような緩慢な変形だけでなく,崖崩れのような瞬間的な変形にも適用可能であることを示唆する。適用範囲の拡大は本測定システムの普及にもつながり,大きな意義がある。 【野外計測の実施場所の検討】 研究の初年度には測定装置を導入し,2年目以降に現場で測定試験を実施する予定である。現場試験では,実際に地すべりが発生する場所に掘削されるボーリング孔内に光ファイバケーブルを設置し,付近に観測小屋を設けて測定する。したがって,現時点では現場試験地は未定であるが,地すべりが発生した場合にはボーリング孔を利用させてもらえるよう,周辺自治体の担当部署へ説明をした。その結果,どの自治体も本研究の内容に興味を示し,ボーリング孔の利用などへの協力を得られることになった。これにより,野外計測に適した調査地を選定できることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,令和3年度には測定装置の導入を予定していた。導入方法が「装置のレンタル」から「測定システムの構築」へ変更されたものの,システムは既に構築されており研究計画の遅れはない。新たなシステムの構築により,測定の所要時間が既存装置よりきわめて小さいメリットを得た。令和4年度からは,本システムを実際の地すべり発生現場へ導入し観測を開始する予定だが,被災地のボーリング孔への光ファイバケーブルの埋設および観測の許可を,既に周辺自治体から得た。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には測定システムを構築したため,令和4年度以降に実際の地すべり地において本システムによる観測を開始する。梅雨前線の活動が活発となる6月以降に大雨による地すべりの発生が見込まれるため,地すべりの発生後に関係自治体と協議し,ケーブルの埋設方法や観測スケジュールを検討する。観測開始後,随時データを解析しすべり面の特定を試みる。
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Research Products
(1 results)