2022 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge for short-term prediction of lightning discharge by monitoring charge and discharge of an isolated thundercloud
Project/Area Number |
21K18795
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
山下 幸三 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (20609911)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 雷雲 / 雷放電 / 静電界 / フィールドミル / スローアンテナ / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、落雷に至る雷雲内部の電荷高度・電荷量の時間変化の定量把握より、落雷発生の直前予測を目指すものである。落雷前に雲内に生成される電荷(以下、雷雲電荷)の高度および電荷量の1秒スケールの時間変化算出を目的とし、雷雲下の静電界の多点計測に取り組んだ。観測対象は雷雲電荷構造を単純化しやすい夏季関東域の孤立雷雲とした。初年度(2021年度)にて、観測事例は少数であるが、手法論開発に必要な基礎データを取得できた。最終年度(2022年度)は(1)観測の継続、(2)データ解析法の再検討の2点に取り組んだ。(1)観測では独自開発センサーの観測パラメータ調整、センサー感度校正法の詳細検証に重点的に取り組み、雷雲電荷算出の妥当性を検証した。当初計画した夏季関東域での観測に加え、雷雲が地表面に近い冬季北陸域での観測も実施した。 (2)解析では、前年度に未着手であった2層・3層電荷構造を仮定した解析アプローチを検討した。仮定した雷雲内の電荷構造の妥当性を確認すると共に、雷雲の活動フェーズによっては4層以上の電荷構造適用の必要性を示唆する結果も得た。 研究期間全体を通じ、孤立雷雲内の電荷構造の単純化による雷雲電荷の高度・電荷量の時間変化算出の基礎を確立し、一部は査読付論文として発表した。2層以上の電荷構造の適用による雷雲電荷算出に取り組み、一定の成果を得た。当初予定になかった北陸域での冬季雷雲観測も実施し、落雷直前1分未満における特徴的な静電界変化も検出した。ただし研究期間内における孤立雷雲の観測事例数は少なく、解析事例数も十分でない。今後、基礎研究の域を脱するため、北関東に比べ雷雲高度が低く雷雲電荷の時間変化を地上で検出しやすい冬季北陸域での観測を継続する。更なる検証に取り組み、雷害低減に資する落雷発生予測技術としての確立を目指す。
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Research Products
(2 results)