2021 Fiscal Year Research-status Report
クラスタ強化鋼創製を目指した侵入型/置換型溶質クラスタによる強化機構解明
Project/Area Number |
21K18803
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮本 吾郎 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60451621)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | クラスター / 侵入型元素 / 元素間相互作用 / 鉄鋼材料 / 高強度化 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄鋼材料中で侵入型元素と置換型元素が局所的に濃化した溶質クラスタによる強化機構を解明するため、薄い希薄Fe-Ti板状試料を種々の温度に加熱したNH3+H2雰囲気中で焼鈍することで,試料中央まで均一に窒化した試料を作製した。その後,窒化温度よりも低温で水素焼鈍することでなるべくクラスター分布を変えずに固溶窒素を除去した.その結果,TiとNの原子濃度比率は窒化温度によらずほぼ1:1となったことから,水素焼鈍後の試料にはTi-Nクラスターのみが含まれ,固溶Nは除去できたものと考えられる.次に、水素焼鈍材の硬さを測定したところ,窒化温度が上昇するにつれて650℃までは硬さは増加するが,それ以上では軟化することを見出した。このことは,クラスターサイズが小さい場合にはクラスターサイズの増加に伴い硬化量が増加するがあるサイズを超えると軟化が生じることを示唆している。 この試料の引張特性を明らかにするため、窒化材及び水素焼鈍材より引張試験片を切り出し、引張特性を評価した。その結果,窒化材では高温での処理材を除き弾性域破断するのに対して,水素焼鈍により固溶窒素を除去することで延性が回復し、降伏強度並びに引張強度を評価することができ、その温度依存性は硬さと同様の傾向を示すことを明確にした。このように初年度は、固溶Nを含まずクラスターのみで強化された試料を作製し、その力学特性を評価することに成功した。次年度は各試料におけるクラスター分布をTEMならびに三次元アトムプローブにより定量化し、強化機構を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたクラスター強化材を作製し、その力学特性を評価することができているため、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、固溶Nを含まずクラスターのみで強化された試料の力学特性を評価することができているため、これらの試料におけるクラスター分布をTEMならびに三次元アトムプローブにより定量化し強化機構を解明する。
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Causes of Carryover |
共同研究先であるNIMSでの実験を予定していたが、コロナ禍拡大による緊急事態宣言発出により予定していた実験ができなかったため。
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Research Products
(16 results)