2022 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス材料を前駆体とするポッケルス効果型デバイス材料の創出
Project/Area Number |
21K18809
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 儀宏 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50442728)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | ポッケルス効果 / アモルファス物質 / 光波制御素子 / 結晶化ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
光通信の光波制御にはポッケルス効果に基づく光導波路素子が用いられており,大きな自発分極を有するLiNbO3結晶により構成されている.一方,アモルファスシリカ(SiO2)から製造される光ファイバは光波伝送を担うが,異種材料やモードプロファイルの不一致などから光波制御素子との接合に困難を伴うのが実情である.本研究課題では,これらの解決策としてアモルファス酸化物を前駆体としたファイバ型光波制御素子の開発を提案し,SrO-TiO2-SiO2系前駆体ファイバから非線形光学結晶Sr2TiSi2O8単結晶が放射状に組織化した試料の試作および光学特性評価を実施している. 今回の研究では,結晶化ファイバ試料の素子設計において重要となる光学物性値の定量評価を行った.また光波シミュレーションに基づく結晶化ファイバの空間的な屈折率変化についても検討した.下記に主な成果を示す. 1)Sr2TiSi2O8結晶が緻密かつ均一に組織化した結晶化ファイバ試料の創製し,試料への電圧印加による屈折率変化を観測することによりポッケルス係数の精密な評価に成功した.さらに,存在が予期されながら計測が困難であったr15の決定も行い,これにより結晶化ファイバ試料の素子応用をさらに進展するものと期待される. 2)結晶化ファイバ試料の屈折率変化を光波シミュレーションによって調査した結果,電圧印加時において特異な屈折率分布を形成することを実証した.印加方向に対して非対称な屈折率分布は,試料の放射分極構造に由来するものと推察される.結晶化ファイバ試料とシリカガラスファイバとの接続損失についてもシミュレーションを実施し,極めて小さな損失であることを確認した.
|