2022 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of light elements by STEM imaging with Bayesian super-resolution
Project/Area Number |
21K18819
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 軽元素 / HAADF-STEM / 超解像 |
Outline of Annual Research Achievements |
高角散乱暗視野(HAADF)走査型透過電子顕微鏡(STEM)像においては、原子番号(Z)に対応したコントラストが得られる。これにより、HAADF-STEM法は原子配列の直接観察を可能にし、無機材料の研究開発における重要な手法となっている。しかしながら、電子散乱能の小さい軽元素からの信号は非常に弱いため、軽元素原子の観察は困難である。これにより、水素やリチウム等の軽元素エネルギーキャリアの安定サイトや伝導経路の観察は不可能とされてきた。本研究は、これまでHAADF-STEM法での直接観察が難しかった軽元素原子の可視化手法を確立することを目指している。具体的には、低倍率のHAADF-STEM像から単位胞を含む同一箇所のユニット画像を多数抽出し、ベイズ超解像を用いて信号対雑音比(S/N)を高めた高解像度の画像を再構築することを目的としている。二酸化チタンのHAADF-STEM像からユニット画像を抽出するプログラムを作成し、それを積算することで信号強度を増幅することが可能であり、酸素原子のコントラストを確認することに成功している。また、S/Nの向上を確認するために、1次元のXPSのデータに対する有効性を検証した。その結果、超解像を用いることで大幅にS/Nを改善することが可能であるこ戸が明らかとなった。この結果からXPSデータの高速取得が可能であることが示唆された。本研究では水素やリチウムといったこれまでには観測できなかった軽元素原子の観察を目的としていたが、これらの軽元素を観察することはできなった。しかしながら、酸素の可視化やXPSの高速化など有用な知見が得られた。
|
Research Products
(6 results)