2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on deformation mechanism of shot-peening by modeling with single crystals
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21K18822
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| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
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Principal Investigator |
佐藤 尚 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402649)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 秀俊 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10548960)
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| Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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| Keywords | ショットピーニング / 表層巨大ひずみ加工 / 単結晶 / 相変態 / 集合組織 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，単結晶を用いることでショットピーニング(SP)にて生じる諸現象を単純化し，SPによる加工組織相安定性変化や加工表面における塑性変形メカニズムを究明することを目的としている．それを達成するために，「【課題１】純Fe，純CuおよびFe-33%Ni合金の単結晶作製」，「【課題２】SPによる圧縮残留応力にて生じる加工組織の相安定性変化の究明」および「【課題３】SPによる加工表面の塑性変形メカニズムの究明」を主な課題としている．2021年度は，主に課題１および課題３を実施した．
【課題１】純Fe，純CuおよびFe-33%Ni合金の単結晶作製：2021年度は，{001}面，{011}面および{111}面を板面とする純Cu単結晶を入手し，かつ残留応力を調査するためのソフトウェア(Cross-Court 4)を購入および環境整備を行った．
【課題３】SPによる加工表面の塑性変形メカニズムの究明：2021年度は，単結晶を用いた実験の予備実験として，結晶粒径が約1 mmの粗大粒を有する純Cu試料および純Fe試料に対してSPを施し，SPに伴う加工表面の集合組織形成メカニズムを調査した．その結果，粗大粒を持つ純Cu試料にSPを施すと，はじめ投射方向と<111>方向が平行になった{111}繊維集合組織が形成した．その後，さらなるSPよって投射方向と<011>方向が平行になった {011}繊維集合組織が形成した．このSPに伴う集合組織の変化は，結晶粒径が200μm程度である純Cu試料の結果と同じであり，単結晶を用いた試験でも生じることが期待される．一方，粗大粒を持つ純Fe試料にSPを施した場合，加工表面に形成される最終的な集合組織は，投射方向と<001>方向が平行となった{001}繊維集合組織であった．よって，純Fe単結晶を用いた試験においても同様の結果が得られることを期待できる．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の目標は，主として単結晶の作製およびそれ用いたショットピーニングに伴う加工表面組織の形成過程を明らかにすることであった。単結晶に関しては純Feも含めて入手の目処がついている．さらに，ショットピーニングに伴う加工表面組織の形成過程においては，粗大粒をもつ試料を用いることで，単結晶で期待される結果を得ることができた．よって，現時点ではおおむね順調に進展していることがいえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は，「ショットピーニング(SP)による圧縮残留応力にて生じる加工組織の相安定性変化」および「SPによる加工表面の塑性変形メカニズム」を究明することを目標としている．2021年度においてSPで生じた残留応力を評価するための環境が整ったため，2022年度は主として前者の目標を中心に遂行する．なお，本研究で設定された3つの課題に対する2022年度の計画は下記の通りである．
【課題１】純Fe，純CuおよびFe-33%Ni合金の単結晶作製： 純Cuおよび純Fe単結晶の入手に関しては目処がついている．一方，Fe-33%Ni合金単結晶の作製が完了に至っていない．そのため，Fe-33%Ni合金単結晶に関して作製を試みる．なお，Fe-33%Ni合金単結晶に関して作製困難な場合は，粗大粒での遂行について検討する．
【課題２】SPによる圧縮残留応力にて生じる加工組織の相安定性変化の究明：EBSDおよび放射光による残留応力の応力成分評価方法を確立し，それによってSPにて生じる圧縮残留応力の応力成分を測定する．その際，純Cu単結晶および純Fe単結晶に対して評価を行い，SPに伴う残留応力の発生過程を見出す．また，SPにて導入された圧縮残留応力の静水圧成分に着目し，SPが加工組織の安定性に及ぼす影響を明らかにする．
【課題３】純Cu単結晶および純Fe単結晶にSPを施し，それに伴う結晶方位回転の発生過程を調査する．それによって，SPにて生じる結晶学的集合組織の形成メカニズムを明らかにする．
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| Causes of Carryover |
2021年度に残留応力解析ソフトウェア(Cross-Court 4)を購入するために150万円を計上していた．しかし，本課題採択後に，本学の共通設備に同様のソフトウェアが導入されたため，そのセカンドライセンスを55万円で入手することができた．その結果，次年度使用額が発生した．本予算は，本研究課題をより促進させるための研究員雇用経費とショットピーニングにて生じた残留応力の3軸応力測定をあいちシンクロトロン光施設にて実施するための装置利用費として計上する．
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