2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel light metal superalloys under the concept of mechanical conflict microstructural control
Project/Area Number |
21K18826
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 幸司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞山 剛 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (40333629)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 軽金属 / 超高強度 / 延性 / 局所変形 / 不均質組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの検討により,ロッド状組織を有するAl-Si, Al-Mg2Si合金等において,一方向性凝固による配列組織制御のみでは,キンク帯に代表される局所変形帯の形成誘導は困難であることが示された.この結果を基に本年は,DS材に対し種々の圧下率,温度での圧延を施すことで,配向組織に加え,方向性を持ったひずみ導入による局所変形帯の形成誘導の可能性について検証した.しかしながら結果として,圧延後試料における組織変化を観察すると,Al-Si合金,Al-Mg2Si合金両者において,圧延に伴う第二相の更なる配列化は達成されず,むしろ第二相に選択的に割れが生じることで圧下率の上昇に伴い第二相長さが著しく短くなることが示唆された.この結果として,期待に反し圧延を行うことで降伏応力が低下する傾向が見られた.ただし圧縮試験時の応力ひずみ曲線に着目すると,DS材の圧縮試験では高強度を示すものの試料は座屈したのに対し,圧延材は最大応力を保ったまま均一変形するようになり,延性の向上が確認された.またさらにDS圧延材においては,LPSO合金中にてみられるキンク帯とよく似た,くさび状の形態を示す変形帯の形成が認められた.ただし,この変形帯の結晶学的特徴について詳細に観察したところ,変形帯内におけるすべり面の配置は変形帯とほぼ平行方向であり,すなわち導入された変形帯は期待されたキンク帯ではなく,せん断帯であることが示唆された.しかしながら,このような局所変形帯の形成はキンク帯でなくとも,延性の向上に寄与している可能性が実験結果から示唆された.以上のように,本研究において完全に当初の予測を実現するような実験結果は得られなかったものの,組織制御と加工熱処理の融合により,局所変形帯の誘導,制御が実現され得る可能性が新たに見出された.これを利用した新たな力学特性制御法の確立が今後さらに期待される.
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Remarks |
日本金属学会・日本鉄鋼協会東海支部 学生研究発表会 (材料フォーラムTOKAI @Web online)にて,優秀賞を受賞. Mg/LPSO複相合金の強化挙動と組織の相関 ○山本 和輝,徳永 透子,萩原 幸司 20221108
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Research Products
(20 results)