2022 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to novel copper electrolysis process of super power saving type using resources circulation type recycling materials
Project/Area Number |
21K18829
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 博昭 九州大学, 工学研究院, 教授 (70325504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷ノ内 勇樹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40644521)
大上 悟 九州大学, 工学研究院, 助教 (90264085)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 不動態 / 銅アノード / 可視化 / トレーサー粒子 / In-situ / PIV / 電解液 / 流速 |
Outline of Annual Research Achievements |
電解液の流れを可視化するために電解槽を作製した。ポリカーボネート樹脂による耐熱電解槽,高輝度LEDアレイならびに光学系,アノード,カソードを作製し,アノードにスリットを入れた。LED光源を用いて,浴放置時の電解液の流れを確認した。電解時のアノードでのCu2+溶出による下降流,カソードでのCu2+還元による上昇流を粒子イメージ流速計測法(PIV)により可視化することができた。アノードでの下降流速は上部で0.4 mm/s,下部で2.9 mm/sと下部の方が速く,カソードでの上昇流速は上部で2.5 mm/s,下部で0.8 mm/sと上部の方が速いことが分かった。アノード表面の流速と不動態化の関係を調査した結果,流速が上昇するのに伴い,不動態化が抑制されることを確認した。 純度78.7 mass%の低品位Cuをアノードに用いて,Cu電解を行ない,不動態化挙動に及ぼす電解液中の不純物イオン,添加剤の影響を調査した。不動態化までの時間は,不純物としてNi2+イオンを0.596 mol・dm-3添加した溶液では,かなり短くなり,As5, Bi3+イオンを添加した溶液でも,短くなった。Ni2+イオンを0.596 mol・dm-3添加すると溶液の粘度が高くなり,Cu2+イオンの拡散係数が低下することが分かった。As5+またはBi3+イオンが存在すると,アノードスライム中にAs-Sb-O系あるいはAs-Bi-O系の化合物が形成されており,スライムの緻密性を増加させると推察される。Cl-イオンは,0-0.12316;1.13 mmol・dm-3の濃度範囲では,不動態化時間は,一定であったが, 1.13 mmol・dm-3を超えると濃度の増加に伴い,著しく減少し,不動態化が促進された。Cl-イオンは,スライムの上層部にCuClを形成させており,スライムの緻密性を高くして不動態化を促進していると考えられる。
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Research Products
(2 results)