2021 Fiscal Year Research-status Report
Creation of high functional Li-air battery based on synergy effect of multi-catalysis
Project/Area Number |
21K18835
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
石崎 貴裕 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50397486)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | Li空気電池 / カーボン系材料 / 触媒 / 深共晶溶媒 / 酸素の酸化還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Li空気電池の触媒として使用可能なポーラスカーボン系正極材と深共晶溶媒(DES)の開発を行った。ポーラスカーボンの合成では、酸素還元反応の触媒として有効なFe-N-C結合を有するポーラスカーボンを金属有機構造体(MOF)を用いて合成した。前駆体のMOFを合成する原料には、硝酸鉄と2-Methylimidazole(2MZ)、硝酸鉄と4,5-Imidazoledicarbonitrile(DCI)、塩化鉄と2-Amino-4,5-imidazoledicarbonitrile(AIDCN)の組み合わせを用いた。合成したカーボンのSEM像から約300nmの直径を有するポーラス構造が形成されていることが確認できた。合成した試料の窒素含有量をX線光電子分光法(XPS)で測定した。それぞれの試料に含まれる試料表面の窒素の割合は0.5~1.5at%であり、窒素含有量は使用した窒素源の試薬に含まれる窒素の割合に依存した。合成したカーボン材料を正極材に用いてLi空気電池を構築し、その充放電試験を行った。DCIが最も放電電圧が高く,AIDCN,2MZの順で放電電圧が高かった。また,放電容量の大きさは、2MZ、DCI、AIDCNでそれぞれ4605、7777、6327mAh/gとなり、放電電圧と同様の順であった。 これらの結果から、各正極材料はLi空気電池として作動することを明らかにした。 DESの開発では、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)あるいは硝酸リチウム(LiNO3)とN-メチルアセトアミドを特定のモル比率で混合し,深共晶溶媒を得た。その深共晶溶媒を電解液としてリチウム空気電池に組み込み,充放電試験を行った。N-メチルアセトアミドのモル比率が増加するほど放電および充電の容量が増加し,放電および充電の過電圧が減少する傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポーラスカーボン系材料の正極触媒材料の開発およびDESを利用した電解液の探索を行い、当初に予定していた研究計画が順調に進められたため。合成したポーラスカーボン材料はFeとNを含んでおり、酸素還元反応に対する触媒性を示した。また、DESに関しては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)あるいは硝酸リチウム(LiNO3)とN-メチルアセトアミドの組み合わせでLi空気電池の電解液として使用可能であることを示せた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ソリューションプラズマ(SP)を含む液相プロセスにより、異種元素ドープポーラスカーボン・酸化物系複合材料の合成手法の確立を進める。カーボンの構造化には、金属有機構造体(MOF)を利用した手法を用いる。また、窒素以外の異種元素をドープしたカーボン材料の合成も行う。DESに関しては、触媒機能を発現するものを探索するとともに、その触媒能の発現メカニズムの解明をめざす。さらに、触媒能を示すDESのイオン伝導性、粘性、電位窓、熱的安定性等の特性を計測する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、一部の試薬等の納入が間に合わなかった。これらの試薬については、次年度に納入し、予定通りに研究を進める。
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Research Products
(14 results)