2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a universal method for rationally improving enzymatic activity
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21K18841
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 宗仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90302801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 勇樹 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (90444059)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | タンパク質 / 酵素 / 活性 / タンパク質デザイン / 合理的設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
触媒反応を行うタンパク質(酵素)は、生命現象の維持に必要なだけでなく、有用物質の工業生産にも必要であり、産業や医療などの幅広い分野に応用されている。それゆえ、酵素活性を向上させる方法の開発は、産業や医療などにおいて極めて重要である。従来の設計法では大量の実験が必要であるが、このような状況を打破するために、本研究では酵素活性を合理的かつ効率的に向上させるための普遍的な手法を開発し、その妥当性と普遍性の検証を目指す。また、必要に応じて、理論的設計法の最適化を行う。2022年度は次の成果を得た。 (1) モデル酵素であるジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)に対して、我々が提唱する方法によって前年度までに設計した複数の変異体を実際に作製し、酵素活性を正確に測定した。その結果、これらの変異体は設計通りに高活性化していることが示され、本設計手法の妥当性の検証に向けて大きな前進が見られた。 (2) 酵素を高活性化させるためには、基質との結合を強める合理的手法の開発も重要である。そこで、標的分子との結合を強めうるタンパク質変異体を、Rosettaソフトウェア等を用いて合理的に設計した。それらを実際に作製した結果、設計通りに結合能を強化させたタンパク質を得ることに成功した。 (3) 設計の成功率を向上させるために、これまでの経験に基づき、Rosettaソフトウェアを用いたタンパク質設計のプロトコールを改良した。 (4) 統計力学理論を用いてタンパク質の構造ダイナミクスを包括的に予測する手法の開発を進めた。その結果、さまざまなタンパク質に普遍的に適用可能なダイナミクス予測法の構築に向けて大きな進歩が得られた。この手法は今後、タンパク質の構造ダイナミクスに基づいて酵素を高活性化させるという画期的設計法の開発につながると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、本研究の妥当性の検証に向けて大きな前進が得られている。また、標的分子との結合を強化させる理論的手法の開発や、タンパク質の構造ダイナミクスの予測法の開発等においても大きな進歩が得られており、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の予定通りに研究を進める。具体的には、妥当性の検証のために、DHFRについて理論的に設計した変異体をさらに多く作製し、実際に酵素活性が向上しているかどうかを実験で確認するとともに、高活性化した変異体について、生成物解離速度などの反応ステップが高速化しているかどうかを確認する。また、普遍性の検証のために、DHFR以外の酵素に対しても同様の研究を行う。必要に応じて、理論的設計法を最適化する。さらに、標的分子との結合を強化させたタンパク質変異体の理論的設計法や、タンパク質の構造ダイナミクスの理論的予測法などの開発も推し進めていく。
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Causes of Carryover |
2022年度に理論的に設計したタンパク質のうち、まだ実験が完了していないものがあり、それらについての実験を2023年度に行う予定のため、次年度使用額が生じた。これらは2023年度に全額を使用予定である。また、2023年度分として請求した助成金については、当初の計画通りの研究を実施するために使用する。
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Research Products
(14 results)