2022 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to manipulate and control valley current for realization of valleytronics
Project/Area Number |
21K18865
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青木 伸之 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60312930)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | バレーホール効果 / 逆バレーホール効果 / 非局所電圧 / ベリー曲率 / 2次元物質 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / ゲート制御 / バレートロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,2次元物質において発現が期待されるバレー流をゲート電圧によって制御することを目的として,遷移金属ダイカルコゲナイドの一種である単層のMoS2におけるバレーホール効果の発現と観測およびゲート制御の研究を進めた。バレーホール効果の観測には低温環境下での測定が必要であるため,低温でのオーミックコンタクトの実績のあるMoS2をチャネル材料としたn型のホールバー素子を作製し,逆バレーホール効果として発現する非局所電圧の特性評価を行ってきた。その結果,グローバルなバックゲート(素子全体に掛かるゲート構造)に対する動作では,キャリア密度の増加に従い非局所電圧がピーク構造を取ることが確認された。また,そのピーク構造は温度に対して変化し,2 Kでは単一のピークであるのに対して,20 K付近では2つのピークが現れることが明らかになった。このピークは,スピン・バレーロッキング現象と,伝導帯におけるK(K')バンドにおけるスピン軌道相互作用によるバレー・ゼーマン型のバンド分裂が原因と考えられ,それぞれのバンドがバレーホール効果を発現することで2つのピークが現れるといったメカニズムが考えられる。しかし低温においてはショットキー障壁によって下側のバンドに電子を注入することができないためにバレーホール効果が発現できず,ピークが1つとなっていると解釈される。これらの2つの電圧ピークにおいて抵抗率に対する3乗則が観測された。 一方で,バレー流の伝達経路に配置したローカルゲートに負電圧を印加すると,ゲート直下が次第に空乏化し,完全に空乏化するとバレー流の伝導も遮断され,非局所電圧が急激に減少することが確認された。これはバレー流の局所ゲート電圧制御を試みた初めての成果と考えられ,ゲートによってバレー流を電界効果によって遮断できること明らかにした。これらの結果は,バレートロニクスの実現に向けた第一歩であると考えている。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] Enhancing optical characteristics of mediator-assisted wafer-scale MoS2 and WS2 on h-BN2023
Author(s)
Chiu Sheng-Kuei, Li Ming-Chi, Ci Ji-Wei, Hung Yuan-Chih, Tsai Dung-Sheng, Chen Chien-Han, Lin Li-Hung, Watanabe Kenji, Taniguchi Takashi, Aoki Nobuyuki, Hsieh Ya-Ping, Chuang Chiashain
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Journal Title
Nanotechnology
Volume: 34
Pages: 255703-1-9
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Signatures of hot carriers and hot phonons in the re-entrant metallic and semiconducting states of Moire-gapped graphene2023
Author(s)
Nathawat Jubin, Mansaray Ishiaka, Sakanashi Kohei, Wada Naoto, Randle Michael D., Yin Shenchu, He Keke, Arabchigavkani Nargess, Dixit Ripudaman, Barut Bilal, Zhao Miao, Ramamoorthy Harihara, Somphonsane Ratchanok, Kim Gil-Ho, Watanabe Kenji, Taniguchi Takashi, Aoki Nobuyuki, Han Jong E., Bird Jonathan P.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 14
Pages: 1507-1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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