2022 Fiscal Year Research-status Report
Nano-valve for nanofluidic circuits: nano-bubble valve
Project/Area Number |
21K18866
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬渡 和真 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60415974)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ナノバルブ / ナノバブル / ナノ相転移 / ナノ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小さすぎて機械的なバルブを導入困難なナノ流路の制御のために、小さくてソフトなナノバルブ技術を実現することを目的としている。前年度はナノ流路の気液相転移、ナノバブル形成を実現するための流路を設計・製作して、バブルが生じる条件を見出した。今年度はバブル生成条件を体系的に整備して、最適化し、さらに流路の切り替えバルブとしての有効性を実証することを目的とした。最初に表面の濡れ性とナノバブル生成、バルブ機能について比較検討したところ、水溶液の場合も有機溶媒の場合も、ナノ流路の基板材料であるガラス壁面では液体のリークが起こり、バルブとして機能しないことがわかった。一方、この実験からなるバブルを連続的に生成する方法に関する新しい知見も得た。バルブ機能実証実験ではナノ流路の表面を疎水性にすることで液漏れなく、またソフトな材料であるバブルの変形能を利用することでナノ流路を密閉できることもわかった。また、最適条件では耐圧が400kPa以上になることもわかった。さらに、マイクロ空間での実験から、この系はマイクロでは逆に大きすぎてバルブとして機能しないこともわかった。マイクロ流路の場合はマイクロ流路の接続部にナノ構造を作り込むことで制御可能であることも考えられる。以上から、バルブ開閉条件を確立して、Y字流路での切り替え実験を行ったところ、少なくとも70msレベルで切り替え可能であることがわかった。また、1000サイクルの繰り返しが可能であり、通常一つのデバイスで数10回の切り替えを行うナノ流路実験で十分に利用可能であることもわかった。 以上、挑戦的研究(萌芽)としてナノバルブの創成という目的とほぼ達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に記載したように、条件を体系的に調べた結果、ナノバブル発生やナノバルブ機能条件を確立でき、原理実証に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノバルブの応答時間について検討して、応用展開の範囲について明らかにする。
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Causes of Carryover |
ナノバルブの応答性について追加検討するため(応用に重要)。 1.顕微鏡での画像観察のためのコンデンサレンズ購入 5月
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Research Products
(1 results)