2021 Fiscal Year Research-status Report
Demonstration of low power consumption memory device using electric field induced magnetization reversal
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21K18891
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
東 正樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40273510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 智 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 電子技術部, グループリーダー (40426359)
重松 圭 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (40754578)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 強磁性強誘電体 / 磁気メモリ / 微細加工 / ホールセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
傾角スピン構造による自発磁化と強誘電性が共存するBiFe1-xCoxO3薄膜に微細加工を施し、磁気メモリデバイスとしての動作を検証する。微細加工を施した薄膜試料で、電気分極・磁気ドメインの単純化・単一化を達成し、電場印加磁化反転のデバイス動作を実現する。磁気情報書き込みに用いる磁場を発生するための電流が不要なため、超低消費電力の磁気メモリデバイスを実現できる。 今年度はドライエッチングによるナノドットの作製と、ホールセンサーとして使うInSb薄膜の育成を行った。BiFe0.9Co0.1O3はエッチング耐性が高く微細加工に困難があったが、シリコンの深堀り反応性イオンエッチング(DeepRIE)用に使用されるフォトレジストを用いることで。数十nmの深さの加工プロセスが実現できるようになった。その結果、規則的に整列した直径1.2-1.5μm程度、厚みは25-30 nmのナノドットの作製に成功した。 現存する市販のホール素子でもっとも感度が高い材料であるインジウムアンチモンInSbを、BiFe0.9Co0.1O3の成膜プロセスに組み込めるように、SrTiO3(001)基板上にパルスレーザー堆積法で合成することを試みた。その結果、六方晶InSbが互いに30°回転したダブルドメインをもつエピタキシャル薄膜の成膜に成功した。外部磁場を反転させてホール抵抗の変化を検証したところ、±1Oe、即ち1mTまでの磁場の反転によって符合が変化することを確認した。この値は、BiFe0.9Co0.1O3薄膜の弱強磁性が表面近傍につくる磁場の強さとして見積もられる10mT以下である。さらに、BiFe0.9Co0.1O3薄膜上にバッファー層としてSrTiO3を成膜し、その上にInSbを成長させる事にも成功した。さらに、第一原理計算で磁化を増大させる置換元素の知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
磁場の検出目標10mTに対し、1mTの磁場を検出できるInSb薄膜の成膜に成功したため。この結果は論文投稿に加え、特許申請も行った、さらに、第一原理計算によってCo置換が弱常磁性の発現に果たす役割を明らかにした論文も投稿することが出来た。ドメイン計上のコントロールに関する論文も2報あるので、初年度から4本の論文を投稿、1件の特許を申請出来たことは、当初の計画以上の成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
InSb/STO/BFCO/STOのデバイス構造で、BCFOの磁化の反転をホール抵抗の符合変化として検出する。また、理論計算でCo3+は中間スピンと低スピンが混在する子が示唆されたので、放射光X線発光分光でこれを検証する。
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Causes of Carryover |
国際会議が全てオンライン開催になったため海外出張旅費に差額が生じた。また、予定よりも早くホールセンサーの作製に成功し、測定に入ったため、単結晶基板の必要数も減少した。次年度は予定よりも早く研究を進展させ、消耗品費と海外出張旅費で次年度使用額を消化する。
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