2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K18899
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮島 大吾 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (60707826)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 単結晶 / 切片 / ウルトラミクロトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
単結晶材料は分子の配列が一義的に決まり、構造-物性相関を議論するのに最適である。しかしながら結晶サイズの制御は難しく、また取り扱えるほどの強度を実現するためには数百nm程度の厚さは必要となる。一方、有機材料は一般にキャリア密度が小さく、電気を流しにくい。ドーピングすることでキャリア密度を増やすことができるが、単結晶構造そのものの物性と異なってくる。本研究では単結晶を20 nm前後の薄片に切り出すことで、ドーピングなどをすることなく、単結晶材料の電気物性を評価する手法の開発を目指している。特に極性結晶やキラルな半導体単結晶を構造秩序を乱すこと無く薄膜化することで構造物性相関を明らかにすることを目指している。
本年度は昨年度の結果を踏襲しつつ、新しい有機結晶ならびに無機材料と幅広く材料を試した。その結果、やはり材料の種類によってひび割れやすさが大きく異なり、あまり一般論を導けなかった。同時にダイヤモンドナイフの刃が徐々に劣化してきて、新たに研ぎ直しにだしたら3ヶ月以上かかり実験が大幅に遅れてしまった。最後の僅かな時間で改めて切片を作成し、電極を塗布を試みたが、コロイダルグラファイト、蒸着どちらでも結晶に大きなヒビが入ってしまい、これ以上の測定は現状進んでいない。やはり電極を載せないConducitive AFMなどの方法に切り替えて進めていくのが良さそうだ。ただし、Conducitive AFM測定中に分子が剥がれ、結果が経時的に変化する問題が起こっている
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