2022 Fiscal Year Annual Research Report
RIプローブと蛍光プローブの差異を明らかにするための薬剤挙動に関する動態解析
Project/Area Number |
21K18919
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70216753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳衛 宏宣 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 客員研究員 (30212278)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | RI / 蛍光体 / 動態計測 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画においては、有機蛍光色素をBPAに結合させた蛍光標識プローブを合成し、18F-BPAと比較する予定であったが、新型コロナ感染症の影響を受け合成が遅れたため、グルコースを対象としたプローブの比較を行い、性質の異なる複数の細胞、RWPE-1(前立腺), RWPE-2(前立腺がん)、MKN45(胃がん)、SKOV3(卵巣がん)を用い、RIおよび蛍光プローブの細胞内取り込みについての実験を進めた。RI標識プローブとしては、①18F-FDG、蛍光標識プローブとしては、②2-NBDG、③2-DG-750などのグルコース誘導体を用いてこれらのプローブの動態を調べた。これらのプローブと、グルコースを欠如させた細胞をインキュベート後、PBSによる洗浄を3回実施し、細胞内に取り込まれたプローブの定量を行った。RWPE-1に取り込まれた量は、①4.10%, ②0.02%, ③0.00%といずれも少なかった。RWPE-2では、①27.45%, ②0.02%, ③0.00%と、18F-FDGが圧倒的に大きく、MKN45では、①43.19%, ②0.02%, ③0.00%、SKOV3では、①30.59%, ②0.00%, ③0.00%といずれも18F-FDGが細胞内に大きく取り込まれた。このように、細胞内への取り込みはRIプローブと蛍光プローブで大きな差異が生じていることが明らかになった。一方、生体内での動態を追跡するには、F-18では半減期が短いため、プローブとしての有用性が限られる。そこで、長時間の動態を計測可能な半減期の長いIn-111を用いることとした。ソマトストスタチン受容体SSTR2に対する抗体に蛍光体としてジアグノグリーンを結合させ、腫瘍を生成させたマウスに投与し蛍光による集積を観察した。RIによる動態観測はIn-111を用いて実施した。今後これらを同時実施・比較する予定である。
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