2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K18941
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂牛 健 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主幹研究員 (50756484)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 電極過程 / 量子効果 / トンネル効果 / 非断熱効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エネルギー変換反応における基礎的描像を理解するため、固液界面における多電子・多プロトン移動反応の微視的機構を明らかにするための研究を遂行した。当該研究目的を達成するために、反応機構をより深く理解するために必要な律速過程など反応に関わる本質的な観測データや、それらのデータを解析したり一般化したりするための理論を拡充することに成功した。その結果、本研究の最も重要な問いである、「量子的作用がどの様に電極過程に創発され、作用しているか?」について、初歩的ながら明らかにすることができた。具体的には、単結晶金電極表面における異常量子超越性が創発されるためには、電極表面の吸着水の配向状態が鍵であることを明らかにした。この結果は、少なくともある系においては量子超越性が成立することを示した。よって当該結果より、電極材料や反応、反応条件を様々に変え、量子超越性が見出せる系の範囲を検討し、法則を見出して理論を構築することで、より普遍性の高い新規な原理を見出せることが可能であることが示され、今後は電極過程における量子超越性についての微視的機構を根本から理解できる道筋が得られた。
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