2022 Fiscal Year Annual Research Report
Studies and Sensor Application of Fluorenylidene-Acridanes with Absorption Color Changes Depending on Pressure
Project/Area Number |
21K18956
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00334243)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | メカノクロミズム / クロミック分子 / フルオレニリデン-アクリダン / 圧力測定フィルム / インクジェット / 電荷移動遷移吸収 / ナノインデンター / 表面電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械的な押圧により色が黄色から濃い緑色に変化するメカノクロミック分子,フルオレニリデン-アクリダンについて,その蒸着膜を作製した.蒸着膜を押圧することにより,色が黄色から緑色へと変化した.圧力と色の変化の対応を数値的に議論し,どのくらいの押圧で,どのくらいの色の変化があるかを定量的に議論した.これまでクロミック分子の色の変化の議論は定性的なものが多かったが,定量的な議論を可能としたことで,クロミック分子の化学と物理の研究で模範を示した.またアルコール蒸気にさらすことによる黄色化が可能であり,繰り返し使用が可能であることを示した.また,空間分解能は50 nmであることがわかった.これは既存の圧力測定フィルムの空間分解能である125マイクロメートルの1000倍以上高い空間分解能であった. また,メカノクロミック分子のインクジェット印刷に成功した.インクジェット印刷を行うためには色材を機械的に砕いて微細な粉末とすることが必要であるが,メカノクロミック分子は機械的な刺激により性質が変わってしまうため,微細化しにくかった.アルコール中で微細化することにより,黄色を保ったまま微粉末を得ることに成功し,インクジェット印刷を行った.押圧による色の変化とアルコールによる色の再生を確認した. さらに,セルロースナノファイバーとフルオレニリデン-アクリダン力色色材を混合し,成膜することにより,押圧により色が緑色に変化する黄色い紙を作製することに成功した.圧力感度や繰り返し使用性も良好であり,今後はこの方向で研究を進めて行く.
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