2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Highly Efficient Room Temperature Phosphorescent Materials via Thermal Activation Process
Project/Area Number |
21K18960
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 洋平 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60608785)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 室温リン光 / 電荷移動 / 電子ドナー・アクセプター / 有機EL / 汎用元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本挑戦的研究では希少金属や重元素の導入、または結晶中での分子間相互作用に頼る既存の常温リン光有機分子の設計指針とは一線を画する、「熱活性型」室温 リン 光を活用する分子設計戦略に基づき、汎用元素だけで構成される常温リン光有機分子を創出し、有機EL素子へ応用することを目的としている。2022年度 は、前年度得られた成果を基に、ジベンゾフェナジンを電子アクセプター、ジヒドロフェナザシリンならびにその類縁体を電子ドナーとして活用して、様々な置換様式および電子ドナー数を持つドナー・アクセプター(D-A)系分子を設計・合成した。合成した一連の化合物について、光物性を調査したところ、溶媒の極性に依存して発光波長が長波長シフトする発光性ソルバトクロミズムを示すことを明らかにした。合成した化合物群のホスト材料中における詳細な光物性を調査した結果、前年度に開発した化合物ほど効率的な室温リン光を示すことはなかった。 研究期間全体としては、汎用元素のみから構成され、熱活性化プロセスを鍵とする室温リン光分子を多数創製することに成功し、室温リン光有機ELとしては、極めて高い外部量子効率を示すことを明らかにした。また、理論化学を専門とする研究協力者と協働することで、当該D-A-D分子において、当初の期待通り、高次の励起三重項状態が関与する励起状態間の相互変換プロセスが、室温リン光を示す上で重要な役割を果たしていることを明らかにした。本研究成果は、希少金属元素に依存しない高効率発光材料の開発を促進すると期待できる。
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Research Products
(14 results)