2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a third-generation vascular permeability test device using extracellular matrix
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21K18988
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部, 教授 (40373310)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロデバイス / 細胞外マトリックス / 血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管マイクロデバイスは臓器チップ研究の一部門を占め発展を見せている。これまでに開発されてきた臓器チップでの培養技術は3D構造と力学的刺激であり、細胞周囲の間質とのやり取りは考慮されていない。本研究では臓器チップの技術を飛躍的に向上させるために間質を模倣して細胞間隙に存在する細胞外マトリックス成分で構築した構造体を血管細胞の培養容器として開発することを着想した。一方、マイクロデバイスのような複雑な構造を細胞外マトリックス成分で構築するのは現在のところ困難で挑戦的である。高度な加工法を開発し、この新規血管デバイスを用いて、より生体環境に即した血管透過性試験を実現することが本研究の目的である。 一般的にはPDMSで作られているマイクロデバイスを、ECMの一種であるコラーゲン由来のゼラチンで作製した。ゼラチンの構造体を作るのにはPDMSで作製した構造体を鋳型として型どり法で作製した。ゼラチンは、37℃ではゲル化しないためトランスグルタミナーゼで架橋した。今回は毛細血管網構築用の溝幅が20 umほどのストライプ状の培養基板を作製した。構築されたゼラチンの構造体は鋳型であるPDMSの深さの8-9割となり、凸幅は狭くなり、凹幅は広がる傾向にあった。こうして作製したストライプ状のゼラチン構造体の表面で血管内皮細胞を直線状にパターニングし、線維芽細胞と共培養することで自発的に毛細血管網を構築させた。血管内皮細胞を免疫染色し、共焦点顕微鏡で3D像を確認したところ、毛細血管のサイズと同等の直径10 um程度の管が構築できていることが確認できた。溝の深さを変えていったところ、深さ7.8 um以上になると血管の太さのばらつきが少なくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PDMSを鋳型とした型どり法でゼラチンデバイスの基本的な作製方法が確立できたこと、また、それを用いて毛細血管網を構築できたことから、計画通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
流路壁面にも血管内皮細胞を培養し両者を接続させ、管腔内に物質を流せる血管構造を構築する。続いて血管透過性試験を行うために、蛍光標識デキストランをトレーサーとして、血管内皮細胞からなる管空から外への漏れだしを蛍光顕微鏡で評価する。さらに、がん細胞などを組み合わせ病態組織の血管モデルを構築し透過試験を行う。
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Causes of Carryover |
学内研究費で購入した物品で実験ができたため。今後、デバイス作製に使用する材料および細胞培養に使用する試薬類の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)