2021 Fiscal Year Research-status Report
新規生分解性ポリウレタンライブラリーの構築と分解菌のスクリーニング
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21K19001
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高須 昭則 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30303697)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 生分解性 / ポリ(ウレタン-チオエーテル) / ジアンヒドロ糖 / 生物化学的酸素要求量(BOD) / 分解酵素 / ポリアクリルアミド電気泳動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2種類のジアンヒドロ糖 [1,4:3,6-ジアンヒドログリシトール (IS)、マンニトール (IM)]を主骨格としたポリ(ウレタン-チオエーテル)の生物化学的酸素要求量(BOD)を測定し、生分解性に及ぼすジアンヒドロ糖のジアステレオマーの影響を調査した。はじめに、ISとアクリル酸2-イソシアナトエチル (AOI)を反応させ、IS含有ジアクリレート (AOIIS)を合成した。同様にIMとAOIからIM含有ジアクリレートも得た。合成したジアクリレートと等量のエチレンビス(チオグリラート) (EBTG)を用いて、チオールマイケル重付加を行った。得られたポリ(ウレタン-チオエーテル)の生分解性を活性汚泥および馴化培養液を用いたBOD測定によって評価した。馴化培養液はAOIIS含有ポリ(ウレタン-チオエーテル)の繰り返し単位にあたるモデル化合物のBOD測定終了後の試験懸濁液を培養して調製した。合成したポリ(ウレタン-チオエーテル)のBOD測定の結果、活性汚泥を用いた場合のPoly(AOIIS-alt-EBTG)とpoly(AOIIM-alt-EBTG)はそれぞれ9%と13%の生分解度を示した。馴化培養液を用いた場合のpoly(AOIIS-alt-EBTG)とpoly(AOIIM-alt-EBTG)はそれぞれ36%と59%の生分解度を示した。したがって、馴化操作によってポリ(ウレタン-チオエーテル)を生分解する微生物の割合が増加した馴化培養液を用いたため、生分解度が高くなったと考えた。また、ISよりIM含むpoly(AOIIM-alt-EBTG)の生分解度の方が高いことから、ポリ(ウレタン-チオエーテル)の生分解におけるIMの基質特異性が示唆された。また、電気泳動による分解菌の探査を行った結果、20kDa付近に分解酵素由来のバンドが確認でき、分解菌を単離する準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ジアンヒドロ糖 [1,4:3,6-ジアンヒドログリシトール (IS)、マンニトール (IM)]を主骨格としたポリ(ウレタン-チオエーテル)の生分解性が確認でき、分解酵素の特定まで達成できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
生分解するポリウレタンの構造の拡張と分解菌の特定
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Causes of Carryover |
購入予定の装置の搬入が次年度になったため。
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