2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of High Thermal Conductive polymers based on Beads-On-String-Shaped Design
Project/Area Number |
21K19003
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中 建介 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (70227718)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | かご型シルセスキオキサン / ポリウレア / 低誘電率 / ポリイミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、かご型シルセスキオキサン(POSS)ブロックと水素結合性有機ユニットが交互に結合した数珠玉構造デザインによる均一水素結合ネットワーク形成による効果的フォノン熱伝導経路を達成させるという従来にない概念によって、既存の材料では達成不可能なトレードオフを解消した高熱伝導性透明樹脂を開拓することを目的とする。2022年度はPOSS骨格の構造、POSS間距離および構造を系統的に変化させたポリマーの合成を行いそれらの構造と種々物性との関係を評価することでPOSSを主鎖に導入する意義を見出すこと目的で検討を行った。 POSSブロックとしてアミノプロピル基を2個有する二官能性ダブルデッカー型シルセスキオキサン(DDSQ) モノマーを用いて種々のジイソシアナートとの重合により系統的に架橋部位の長さや極性を変化させたDDSQ主鎖型ポリウレアは、柔軟で光学的に透明な可溶性自立フィルムを形成し、得られたフィルムのFT-IR測定の結果、ポリマー鎖間で強固な水素結合をしていることが示唆された。得られたフィルムの物性を評価したところ熱伝導率は高くても0.3 W/m・K程度と必ずしも熱伝導性が向上するものではなかった。しかしながら、フィルムの比誘電率および誘電正接の測定を行った結果、高分子の構造によっては比誘電率が3以下・誘電正接が0.01以下となるものがあり、DDSQをポリマー中に導入することで一般的には高誘電材料であるポリウレアを低誘電率・低誘電正接化できることに成功した。 その他にも、DDSQモノマーをジアミン成分として種々の構造のテトラカルボン酸二無水物との重合によりDDSQ主鎖型ポリイミドを合成した。得られたDDSQポリイミドは溶媒可溶性かつ熱可塑性を有する高透明な耐熱性材料であることを見出した。
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Research Products
(6 results)