2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular design of the membrane-active polyers for spontaneous formation of cell-membrane nanodiscs and their application to nano carriers
Project/Area Number |
21K19007
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90545716)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ナノディスク / 両親媒性ポリマー / 脂質二分子膜 / ドラッグデリバリー / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、デザインされた高分子によって形成された細胞膜ナノディスクを用いて、特定の細胞小器官へ選択的に分子輸送するナノキャリアを構築することを目的とする。研究代表者らがこれまでに開発した膜活性ポリマーを用いた細胞膜ナノディスク技術を核として、新たに細胞へのターゲティング機能を付与したポリマーをデザインすることで、特定の小器官に対して選択的かつ高効率に分子輸送する方法を確立することをめざす。 本研究の目的を達成するために、本年度は、前年度からの継続としてナノディスクの毒性評価と細胞小器官に対するデリバリーについて評価を行ったことに加えて、実際に抗がん剤であるパクリタキセルを封入したナノディスクを用いて実際に薬理活性を誘導することが可能かどうか検討を行った。 蛍光色素を修飾したナノディスクを用いて、培養細胞(HeLa細胞)におけるナノディスクの局在を顕微鏡観察により評価したところ、細胞に取り込まれたナノディスクは核近傍へ局在することが明らかになった。また、ナノディスクに封入されたパクリタキセルはリポソームに封入されたものと比較して顕著に高い薬理活性を示すことが明らかになった。 以上より、両親媒性ポリマーによって形成されたナノディスクは、従来のリポソームと比較して高い取り込み能とそれに伴う封入薬剤の活性向上が期待できることが示され、ナノディスクを分子キャリアとしたドラッグデリバリー技術の実現可能性が示された。
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