2023 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジー制御したガラスの革新的薄膜合成方法の確立
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21K19016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 円佳 東北大学, 工学研究科, 教授 (20865224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEEM MELBERT 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (00815805)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジー / ガラス / 薄膜 / 結晶基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリカガラスは, SiO2から成るガラスであるが、近年では光導波路の低損失化が求められるシリコンフォトニクスや、絶縁膜の機能向上が求められる半導体の重要な要素として注目されている.我々はこれまで、バルクのシリカガラスについて、高温高圧印加処理を行うと、ガラスの大きい空隙が縮小し、秩序構造が均質化することを明らかにした.圧力による構造の秩序化により、光の伝送損失が抑制されることも見出した.これはシリカガラス中の大きい空隙が外場(圧力や温度)によって変化しやすいことや、ガラスの物性が大きく変化する可能性を示唆している.そこで、空隙にサイズが近いが少し小さい格子定数をもつ結晶基板の上に薄膜SiO2アモルファスを積層し、秩序構造の制御されたSiO2アモルファスの合成を試みた。結晶基板上に薄膜SiO2を複数の方法によって作成し、構造と物性を調査した。合成方法には、CVD、ALD、PE-ALDを用いた.結晶基板として、Si、Ge,GaAs,LN,LSATなど多種のものを用いてSiO2薄膜の構造と熱伝導率を測定した。SPring-8のBL13を用いて基板上のアモルファス薄膜を超低角斜入射XRD(Θ=0.12°)にて測定をすると、ガラス特有のFSDP(First Sharp Diffraction Peak)を観測でき、基板の影響の大きさや、薄膜の厚みによる基板からの影響の違いがFSDPのピークシフトとして定量化できることを見出した。基板の影響を受けたアモルファスほど、FSDPが高エネルギー方向へ大きくシフトし、シフト量と薄膜の熱伝導率(TDTR: Time Domain Thermal Reflectance)で測定)の間に強い相関があることを見出した。別途、TEM(Transmittance Electron Microscope)による構造の直接観察にも成功した。
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