2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19056
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡田 正弘 神奈川大学, 工学部, 教授 (40377792)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ペプチド / 微生物 / フェロモン |
Outline of Annual Research Achievements |
ロドコッカス属細菌、ロドコッカス・エリスロポリスにおいて、非リボソームペプチド生合成遺伝子群と考えられる遺伝子の破壊株のコロニーやバイオフィルムの形成が、野生株と比較して大きく変化した。そのため、該当する非リボソームペプチド生合成遺伝子群が生合成するペプチド様物質が、ロドコッカスの形態変化を引き起こす形態変化誘導物質であると仮定した。 まず、ロドコッカス・エリスロポリス野生株から目的のペプチド様物質が分泌されていると想定して、該当する遺伝子破壊株に対して野生株の抽出液を加えることで野生株型への形態変化を誘導する生物検定法の確立を試みた。液体培養では野生株の細胞は浮遊するの対し、遺伝子破壊株は塊状のコロニーを形成するため沈殿していたため、遺伝子破壊株に対して野生株の抽出液を加えて液体培養を行い、見た目や上清の濁度を測定することで活性を評価できると考えた。そこで、購入可能なロドコッカス・エリスロポリスJCM 2895の野生株を最少培地で30度、24時間振盪培養させた培養液を、遠心分離により上清と菌体に分離した。上清を逆相ODSカラムを用いた固相抽出を行い、上清抽出物を得た。一方で、菌体をエタノールで浸透抽出を行い、抽出液をろ過後、減圧濃縮して菌体抽出物を得た。得られた抽出物を加えて、遺伝子破壊株を最少培地で30度、24時間振盪培養した後に上清の濁度を計測した。その結果、遺伝子破壊株の濁度はほとんど変化しないのに対して、菌体抽出物を加えた上清の濁度は野生株と同様に上昇した。また、見た目にも遺伝子破壊株に野生株の抽出液を加えることで遺伝子破壊株の一部の細胞が野生株のように浮遊することが確認できた。現在、再現性の確認と、上清抽出物を加えた場合の生物検定を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の想定通り、遺伝子破壊株に対して野生株の抽出液を加えて培養することで、遺伝子破壊株の野生株型への形態変化を誘導できたことから、野生株の抽出液には形態変化誘導物質が含まれていると示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上清抽出物を加えた場合の生物検定を行う。また、目的の非リボソームペプチドの不安定性に起因すると考えられるが、再現性が得られない場合もあるため、もう少し検討が必要である。なお、過去の研究例から見て、形態変化を誘導する、いわゆるフェロモンと呼ばれる物質の分泌は極微量であることが多いため、過剰生産させる培養条件や、効率よく抽出する抽出条件の検討を行う予定である。このようにして得られた非リボソームペプチドの精製条件を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金として支払う予定であった研究補助員がコロナ禍のため、働けなくなったため。 旅費として支払う予定であった学会発表がコロナ禍のため、開催されなかったため。
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