2021 Fiscal Year Research-status Report
Smart hunting for novel microbes by medium components analysis and artificial intelligence
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21K19058
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
小西 正朗 北見工業大学, 工学部, 教授 (90533860)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 未培養微生物 / マイクロバイオーム / 人工知能 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様な培地で微生物群衆の変動を捉え、人工知能で解析することにより、未培養菌の特性を事前に調べ、得られた特性を利用して未培養菌の分離培養を試みることにある。 培地組成が微生物群衆中の未培養微生物の増殖挙動に与える影響を人工知能(機械学習)で解析するためには、一定数以上の多様性を持った成分で構成された培地で微生物群衆を培養し、培養前後の増殖量をモニターする必要がある。そこで、解析手法の構築手順として、(1)ロボットを用いた培地調製方法の確立、(2)多検体培養方法の選定、(3)微生物の蔵相挙動の分析方法の選定が重要となる。 そこで本年度はそれぞれの手法の確立に注力し、(1)分注ロボットを用いた多様性のある培地組成の効率的な調整方法を採用、(2)ディープウェル培養による多検体同時培養を採用(3)次世代シーケンサー,16SリボゾーマルRNAをターゲットとした菌叢解析を採用した。(1)については、へパフィルター付きの分注ロボットOT-2を使用し、Python言語および専用APIによるプログラムを作成し多様な培地を同時に作成できる環境を整えた。(2)北見市浄化センターより分譲していただいた活性汚泥をディープウェルで培養する方法を検討した。(3)菌叢分析に用いる次世代シーケンサーiSeq100を導入し、活性汚泥をモデルサンプルとして、16S rRNAの部分配列をターゲットとする菌叢解析を実施し、40サンプルの活性汚泥中の菌叢を同時に解析できることを確認した。 AI解析についてはPhyton言語およびTensorflowライブラリおよびScikit-learnライブラリを用いたプログラムを作成した。 以上の検討を実施し、次年度以降のAIによる未培養微生物培養に適した培地探索の実施環境を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標を達成するための要素技術として、(1)培地作成方法の確立、(2)多検体培養法の検討、(3)菌叢解析方法について、予定通り検討を進めることができた。また、データ取得後の解析に用いるプログラムの準備も予定通り進んでいるため、計画全体としておおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は準備した要素技術を組合せ、人工知能を用いた未培養菌の培養挙動解析システムとしての有効性を評価する。人工知能を用いて解析した未培養菌の培養に重要な培地組成や最適培地を見出し、未培養菌の分離に挑戦する。
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Causes of Carryover |
実験方法の工夫により、使用する試薬や消耗品を当初の計画より少なく抑えることができたため。
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