2023 Fiscal Year Annual Research Report
人工プライベートシャペロンシステムの構築と難発現タンパク質生産への応用
Project/Area Number |
21K19084
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
安井 典久 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90467514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敦子 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (10321738)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 分子シャペロン / 人工タンパク質 / 難発現タンパク質 / プライベートシャペロン / 組換えタンパク質 / ファージディスプレイ / ファージディスプレイライブラリー / モネリン |
Outline of Annual Research Achievements |
自然に見出されるプライベートシャペロンとその基質タンパク質のペアを人工的に再構成することを目指し,本研究で対象とした基質タンパク質の一つであるLDL受容体の細胞外領域に結合する人工タンパク質の作製を進めた。前年度において,人工タンパク質の分子骨格である一本鎖モネリンについて,その熱安定性が向上する変異を見いだしていた。この成果に基づき,人工タンパク質のファージディスプレイライブラリーを高度化した。高度化したファージディスプレイライブラリーをLDL受容体細胞外領域を構成する複数のLAモジュールに対し選別した。次いで,選別で得られた一本鎖モネリン変異体について,酵母ディスプレイ法を用いて各ドメインに対する特異性を網羅的に評価した。その結果,特定のLAモジュールに特異的に結合する2種類の人工タンパク質が見いだされた。この高い特異性は,LDL受容体ファミリーのプライベートシャペロンであるRAPが様々なLAモジュールに広範に結合することから,興味深い分子特性である。また,RAPの様に様々なLAモジュールに結合する人工タンパク質も同定した。高い特異性を示した人工タンパク質について,大腸菌で組換えタンパク質を生産し,アフィニティークロマトグラフィーで精製した。精製タンパク質をゲルろ過クロマトグラフィーで分析した結果,単分散のピークを与えた。高い結合特異性の構造基盤を明らかにするために,人工タンパク質とLAモジュール断片からなる複合体の結晶構造解析を計画した。結晶化条件をスクリーニングした結果,複数の結晶が得られた。以上の通り,LDL受容体の細胞外ドメインに結合する人工タンパク質の作製に成功し,これらがLDL受容体のプライベートシャペロンとして機能するか否かを検証可能な段階に到達することができた。
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Research Products
(6 results)