2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploratory Research for understanding relationship between flavor component and biological activities
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21K19095
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 教授 (40455572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 菜穂子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00509515)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 香気成分 / βカリオフィレン / ターメロン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は無数の香気成分に囲まれて生活している。ある種の香気成分は、微量でも嗅覚受容体などを介して生理機能を発揮することはよく知られているが、嗅覚通過後の香気成分の体内動態や代謝・生理機能については不明な点が多い。この研究課題を申請する際、いくつかの香気成分が吸入後に体内に蓄積する可能性を見出していた。この観察結果は、香気成分が体内移行し、何らかの形で生命活動に影響を及ぼすことを示唆するものであり、本研究ではこの基礎的知見を得ることを目的とした。マウスに何種類かの香気成分を含む精油を吸引させた結果、βカリオフィレンが未変化体のまま体内移行し、肝臓代謝に影響を及ぼすことを明らかにした(Sci. Rep. 2021)。また、ウコンに含まれるターメロン類も未変化体のまま体内移行することを報告した(Food Biosci. 2021)。また、構造によって、体内移行の特徴が異なることも見出した。これらの発見は、香りと生命活動の間の未知なる関係が存在することを示すものであり、基礎的な知見の集積が必要であることを示す。今後、体内移行機序及び生命活動に及ぼす影響を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
香気成分の体内移行性を確認し、論文が2報受理されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果は、吸入後に未変化体のまま体内移行し、生命活動に影響を及ぼす可能性のある香気成分が複数あることを示唆するものであった。この結果がヒトを含めた動物の生命活動にどのような意味を持つのかは不明な点が多い。今年度は体内移行機序や生命活動に及ぼす影響の評価を中心に進める。
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Causes of Carryover |
本研究計画は予備検討をもとに申請した計画であり、採択の段階でいくつかの予備データは取得できている状況であった。本年度はこの予備データを基にした解析を行い論文2報の投稿に注力したため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)